JRA日高育成牧場で育成馬展示会が行われる
4月11日、JRA日本中央競馬会は、浦河町西舎にあるJRA日高育成牧場(浮島理場長)において、JRA日高育成牧場育成馬展示会を開催した。
展示会にはJRAの馬主や調教師、牧場関係者が出席。開会式で浮島場長は「みなさま、おはようございます。本日はご多忙のなか、当場の育成馬展示会に、ご来場いただきましてまことにありがとうございます。開催に先立ちまして、ひとことごあいさつを申し上げます。現在、わたくしどもの牧場では、生産したJRAホームブレッド、また、1歳市場で購買しました馬を用いまして、さまざまな育成研究を行っております。昨年の育成馬ですけれども、トレッドミルによる強い調教を控えめにしまして、なるべく人が騎乗して行う調教を中心に、実施をしてまいりました。トレッドミルにつきましては、故障馬のリハビリ、また、育成馬の定期的な体力測定用として、有効に活用して参ったところでございます。また、放牧地といった整地されていない場所で、調教を行うことによりまして、走行フォームのバランスの改善を図ったり、また、隊列を整えた集団調教なども改めて実施をしてきたところでございます。その結果として、昨年、リバーラ号がファンタジーS(G3)を優勝するなど、成果をあげることができました。そして、今年の育成馬ですが、昨年の調教メニューをベースとしまして、さらなる騎乗馴致、隊列調教に磨きをかけることを狙いとしまして、速歩でのドライビング、また、3列縦隊での調教など、さらにレベルアップした調教を行ってきております。こうした結果が、成果が、騎乗者に従順で、また、レースにおいても、馬群のなかでひるまずに走ることができる、馬づくりにつながるのではないかと期待をしているところでございます。本年の研究成果につきましては、競走成績等を検証したうえで、また、改めて機会を設けまして、みなさまにお示しをしていきたいと考えております。本日はJRA日高育成牧場の職員が、これまで丹精込めて育てあげました成果を、みなさまにご披露いたします。また、本日は、BTC軽種馬育成調教センターで1年間、研修に励んでまいりました24名の研修生も、展示、騎乗供覧に参加をいたします。ぜひ、彼らの成長ぶりにもご注目いただければ幸いにおもいます。どうぞよろしくお願い申し上げます」とあいさつした。
展示会は比較展示と騎乗供覧の2部制で開催。比較展示は牡11頭、牡10頭、牡10頭、牝10頭、牝9頭、牝9頭と6班に分けて59頭を展示した。騎乗供覧は1600mトラック馬場に会場を移して行われ、ラスト2ハロンを計測。牡14頭、牡16頭、牝13頭、牝14頭と4班に分けて57頭を披露した。
騎乗供覧におけるラスト2ハロンの一番時計は、マクフィ産駒の牡馬になる上場番号38番のハートフル2021と、キンシャサノキセキ産駒の牡馬になる上場番号39番のサパス2021で25.6秒。2頭併走で同時にゴール板を駆け抜け、騎乗者に従順な隊列調教の成果を見せつけた。
遠藤祥郎業務課長は「今年は全体的にタイムが控えめでしたが、スピード調教以外のところで、隊列を3列やったりとか、競馬の実戦に近いような調教をしてきました。ごらんいただいたように、2頭の併せ馬の距離が近くなって、かなりまっすぐ走れたとおもいます。併せ馬はスピードが速い方がやりやすいんですけど、このタイムでこの距離でまっすぐ走れるというところを見てほしかったです。基礎体力と隊列、馬の操作性などを重視し、BTCの研修生でも乗れる馬を意図的につくってきました。これからはブリーズアップセールへ向けて単走の練習をして、1頭ずつ走れるようにしていきます。セールでもしっかりとした走りを披露できるとおもいます。厩舎へ行ってからも乗りやすいと言っていただけると嬉しいです」と話した。
今年のJRAブリーズアップセール(第19回JRA育成馬調教セール)は4月25日、火曜日に中山競馬場で開催。今年は昨年同様、会場でのせりと、インターネットオークションによるハイブリッド方式で行われる。