北海道静内農業高等学校で令和5年度入学式が行われる
4月10日、新ひだか町静内田原にある北海道静内農業高等学校(赤穂悦生校長、生徒数160人)において、令和5年度入学式が執り行われた。
令和5年度の新入生は63名で、2年次から専門的な馬学などを学習する馬事コースを選択できる生産科学科は定員の40名が入学。その内訳は日高や胆振など道内が19名、道外は21名で東京都、山形県、埼玉県、千葉県、愛知県、兵庫県、岡山県、香川県、福岡県から集まった。
大野克之新ひだか町長、谷川秀樹PTA会長といった来賓や新入生の保護者らが出席した入学式において、赤穂校長は「新入生のみなさんは、9年間の義務教育課程の知識を礎とし、本日からは農業という自然科学分野を専門的に学んでいくことになります。その学習形態は教室での授業のほか、農場での実験実習によって身についていきます。この恵まれた学習環境を生かし、自ら積極的な姿勢で、多くの技術や知識を身につけてほしいとおもいます。今日からみなさんの教材となる動植物や自然環境は、自ら言葉を発することはありませんが、懸命に生きる姿を見せてくれます。わたしたちが注ぐ愛情に、素直に応えてくれます。実際に作物に触れ、家畜のぬくもりを肌で感じ、生態、自然環境への畏敬の念を持ちながら、本校での実学教育に努めてください」と式辞。新入生を代表して生産科学科の大皿佳奈さんは「本日入学を許可されましたわたしたち新入生一同は、本校の自尊独立の校訓のもとに生徒心得を守り、よく学業に励み、未来への希望や目標を実現するため、互いを尊重し、一致協力して、よりよき校風と伝統を築くことを、入学にあたりここに宣誓いたします」と述べた。
静内農業高校は昭和53年に開校。生産科学科と食品科学科の2学科あり、生産科学科では全国の高等学校で唯一、軽種馬生産学習を取り入れている。令和3年度からは文部科学省による「マイスター・ハイスクール事業(次世代地域産業人材育成刷新事業)」の指定校となり専門的な授業をスタート。生産科学科はJRA日本中央競馬会やJBBA日本軽種馬協会、HBA日高軽種馬農業協同組合、北里大学、帯広畜産大学などの軽種馬関係団体や大学と連携し、軽種馬産業、馬の飼養管理、軽種馬のライフサイクル、繁殖、初期育成、せり馴致、獣医臨床など、馬に関する幅広い知識や技術を学習している。
「マイスター・ハイスクール事業」指定校としての影響は大きく、今年1月に開催された北海道教育委員会主催の「探求チャレンジ胆振・日高」では、馬利用研究班が北里大学と連携し動物介在活動の効果を科学的に検証した「お馬さんは心と体のセラピスト~馬との共生社会を活かした動物介在活動」を発表し、最優秀賞を受賞。さらに全道大会の「探求チャレンジ・北海道」においては北海道知事賞を受賞し、4月15、16日に札幌ドームで開催された、G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合開催記念イベント「環境広場ほっかいどう2023」に参加する栄誉を得た。