馬産地ニュース

静内農業高校でアニマルキングダム産駒が誕生する

  • 2023年04月17日
  • 北海道静内農業高等学校で4月2日に生まれた当歳
    北海道静内農業高等学校で4月2日に生まれた当歳
  • 父はアニマルキングダムという鹿毛の牡馬
    父はアニマルキングダムという鹿毛の牡馬
  • 馬房でのんびりとリラックス
    馬房でのんびりとリラックス

 4月2日午後10時50分ころ、新ひだか町静内田原にある北海道静内農業高等学校(赤穂悦生校長、生徒数160人)において、サラブレッドの子馬が誕生した。

 生まれたのは父が公益社団法人日本軽種馬協会(JBBA)静内種馬場に繋養されているアニマルキングダム、母がナリタトップスター、母の父がディープインパクトという鹿毛の牡馬。3月30日の出生予定日より3日ほど遅れての出産となったが、母子ともに順調に過ごしている。出産には母馬の様子を監視していた生産科学科の小林忍教諭が、破水と同時に寮などで待機していた生徒に連絡。駆けつけた生徒は生まれる瞬間には間に合わなかったが立ち上がる姿を見守ったという。

 サラブレッドの出産を初めて目の当たりにした生産科学科2年の小清水陽人さん、山田璃央さん、浅沼音由さんは「2~3日前から生まれる兆候があって、まだかな、まだかなと、ドキドキしながら待っていました。最初見たときは小さくてかわいいなあとおもいました。母親が子馬に近づく人やほかの馬から子馬を守ろうとする姿を見て、生まれる前と生まれた後で母馬がこんなにも変わるんだという姿を見ておどろきました」と話した。

 生まれた当歳は生産科学科馬事コースの生徒が育てて、来年のサラブレッドせり市場に上場する予定。今の2年生が来年のせりへ向けてのせり馴致やせりの引き馬などを担当する。3人は「走る馬になれるようにしたいです。せりではたくさんの人に見られるので、しっかりと調教して馬との信頼関係をつくっていきたいです」、「最近、生産馬が中央競馬で勝っていないので、まずは中央で1勝。さらに大きなところでも勝てたらうれしい。健康で安全で長く活躍できる競走馬になってほしいです。競走馬を引退してからもセカンドキャリアを続けられるような馬になってほしいです。それが種牡馬だったら最高にうれしいです」と話した。

 生徒を指導する小林教諭は「生徒には命の大切さや尊さを学んでほしいことと、馬を育てていく過程で馬と一緒に成長していってほしいです。生産科学科の生徒は卒業後も馬産業へ進む子がほとんどなので、高校生活を通じてそういう経験をしてほしい」と話した。

 北海道静内農業高等学校は昭和53年に開校。食品科学科と生産科学科の2学科があり、生産科学科では全国で唯一、軽種馬生産学習を行っている。令和3年からは文部科学省「マイスターハイスクール」指定校となり、持続可能な日高農業の創り手となる地域発次世代イノベーター人材の育成を目指し、生産科学科ではJRA日本中央競馬会、JBBA、HBA日高軽種馬農業協同組合などといった軽種馬関係機関や団体と連携し、より専門的な知識や技術を学んでいる。

 現在、軽種馬は4月2日に生まれた当歳を含め12頭を管理。繁殖牝馬は2頭繋養しており、5月にはマドリガルスコアが昨年からJBBA静内種馬場で種牡馬生活を送っているミスチヴィアスアレックスの初年度産駒を出産する予定になっている。