JBC2歳優駿(Jpn3)はゴライコウが勝利
ダート競馬における2歳、牝馬、スプリンター、そしてクラシックディスタンスのチャンピオン決定戦的意味合いを持つJBC競走。その中で2歳カテゴリーの「JBC2歳優駿(Jpn3)(サンダースノー賞)」はJpn3格付けとはいえ、2歳戦のレベルには定評がある門別競馬場で行われることもあって、12月に川崎競馬場で行われる全日本2歳優駿(Jpn1)とともに地方競馬の2歳馬たちにとっては目標とするレースだ。
第3回目となる2022年は、11月3日、第1回、2回目に続き門別競馬場で行われ、地元のホッカイドウ競馬勢8頭が、JRAから参戦してきた5頭を迎え撃つような形で行われた。
勝ったのはJRA所属のゴライコウ。新ひだか町の坂本智広氏による生産で、北海道市場サマーセールの取引馬。従姉妹にホッカイドウ競馬所属でエーデルワイス賞(Jpn3)に勝ったオノユウがいる血統で、ホッカイドウ競馬にもなじみの深い血統馬だ。サマーセールにおいて7,700,000円(税込み)で岡浩二氏が落札し、今年8月に小倉競馬場からデビューした馬だった。デビュー戦2着とはいえ、歴史的大差(4秒3差)をつけられ、2戦目は人気を大きく裏切る2桁着順。それでもブリンカーを装着した3戦目にあっさりと勝ち上がるなど、素質の一端を示していた。
この日は、JRA所属の快足馬エコロアレスが飛ばし、ここまでホッカイドウ競馬の2歳中距離重賞戦線を牽引してきた1番人気ベルピットが追いかける展開。重馬場とはいえ、前半1000m通過が61秒9。やや重発表とはいえ、前哨戦的存在のサンライズカップのそれが63秒7だったから、だいぶ速い。この流れにスタート直後は後方に位置していたゴライコウだったが、向こう正面に入るとポジションをあげて先行勢を見るような位置に。4コーナーで早めに先頭に並びかけると、そのまま先頭でゴールイン。父ホッコータルマエにとっては、今年の兵庫チャンピオンシップ(Jpn2) (ブリッツファング)に続くダートグレード勝利。JRA所属馬の優勝は2年連続2回目。新谷功一調教師は初のJBC2歳優駿(Jpn3)優勝で、手綱を取ったホッカイドウ所属の石川倭騎手は2年ぶり2回目の同レース制覇となった。勝ちタイムは1分53秒5(重)。
石川倭騎手は「追い切りにも乗せてもらってある程度クセのようなものはつかめていたと思うし、自信をもってレースに臨めた。レース前半は馬に余裕があったので、馬の能力を信じて強気の騎乗をした」とレースを振り返り「すごく嬉しい。(JRA所属の)強い馬に乗せてもらえたことに感謝しています。まだまだよくなる馬。応援してほしい」といつものポーカーフェイスで喜びを語った。
この日、門別競馬場に足を運んだ生産者の坂本智広氏は「馬には『ありがとう』という思いしかない。(レース前は)とにかく無事に走ってほしいという思いだった。勝ってくれたことに驚くとともに、ここまで育ててくれたみなさま、ジョッキーにも感謝したい」と喜びを語った。