馬産地ニュース

浦河町で令和4年度当歳馬品評会開催

  • 2022年11月16日
  • 最優秀賞のハンナリト2022
    最優秀賞のハンナリト2022
  • 主催者を代表してあいさつする浦河町軽種馬生産振興会青年部の川越祐樹部長
    主催者を代表してあいさつする浦河町軽種馬生産振興会青年部の川越祐樹部長
  • 参加者全員が審査員となり審査した当歳馬品評会
    参加者全員が審査員となり審査した当歳馬品評会

 11月8日、浦河町にある牧場後継者などで構成する浦河町軽種馬生産振興会青年部と荻伏軽種馬生産振興会青年部は、令和4年度軽種当歳馬品評会を共同で開催した。

 浦河町と荻伏両青年部による当歳馬品評会は今年で12回目。飼養管理技術の向上を目的としたもので、過去には2021年のファンタジーS(G3)を制覇し2022年の桜花賞(G1)でもスターズオンアースの鼻差2着になったウォーターナビレラも出陳している。

 今回は浦河町の青年部から5頭、荻伏の青年部から5頭、JRA日高育成牧場から1頭の合計11頭が出陳。当日は青年部員や牧場従業員のほか、JRA日高育成牧場の石丸睦樹場長、頃末憲治副場長をはじめとした職員、日本軽種馬協会静内種馬場の中村北斗獣医師、日高軽種馬農業協同組合北海道市場事業部の職員、浦河町の職員、新ひだか町の生産者など約50人が参加した。

 品評会は各出陳牧場を巡回する方式で実施。荻伏青年部の牧場、浦河町青年部の牧場、JRA日高育成牧場の順で審査した。

 審査員は参加者全員となり、馬体は20点満点、手入れと展示はそれぞれ10点満点で評価。参加者は出陳馬の馬体全体のバランスといったコンフォメーションや月齢に見合った成長具合(大きさ、骨量など)、適切なボディコンディションスコア、ブラッシングにより美しく手入れされているか、蹄油が塗ってあるか、蹄のうらほりをしているか、健康な毛づやか、たてがみや前髪が整っているか、歩様、馴致、馬が人をリーダーとしてリスペクトし、人馬の距離感が適切かといった信頼関係、審査員が見やすいように立たせているかといった展示方法、チフニーや展示頭絡といった馬装など、事細かに厳しくチェックした。また、出陳者には、多くの生産馬のなかから当該馬を出場させた動機、理由、現在の放牧状況と放牧時間、離乳した時期、なぜ配合種牡馬に選んだのか、血統のポイント、与えている飼料の種類や量、売却済みか否か、上場を予定している1歳市場などについての聞き取り調査も行った。

 受賞馬は提出された採点結果の平均点の上位馬から選定。最優秀賞には川越ファームから出陳されたハンナリト2022、優秀賞1席には宮内牧場から出陳されたタキオンレディー2022、優秀賞2席はオカモトファームから出陳されたギャラクシーハニー2022、ベストターンドアウト賞には杵臼牧場から出陳されたフラワーファースト2022が選ばれた。

 表彰式のプレゼンターを務めた石丸場長は「去年見たときよりも、手がかかっており、立たせ方、見せ方、引き馬の仕方、これまでの管理も含め、ひじょうによかったとおもいます。そして、出陳する側も、自信のあるよい馬を選んで見せてくれたというふうに感じました。みなさまの飼養管理についても勉強になりました。それから新種牡馬の産駒も見せていただきました。生産者の方も来年へ向けての配合の参考になったのではないかとおもいます。発育の点ではそれぞれの馬によって差がありましたが、みなさん手をかけた馬が多かったので、管理品評会という意味ではレベルが高かったと感じます。準備や段取りなど大変だったとおもいますが、スムーズな進行でよい品評会でした。今後の販売促進にもつながってきますし、みなさまの技術アップにもつながるとおもいますので、これからも継続していってほしいですね」と話した。

 成績は下記の通り。

〇最優秀賞
ハンナリト2022 牡、鹿毛、2022年4月23日生まれ
父デクラレーションオブウォー
母の父ネオユニヴァース
川越ファーム生産

〇優秀賞1席
タキオンレディー2022 牡、栗毛、2022年2月11日生まれ
父ナダル
母の父クロフネ
宮内牧場生産

〇優秀賞2席
ギャラクシーハニー2022 牡、鹿毛、2022年1月21日生まれ
父ルーラーシップ
母の父スクリーンヒーロー
オカモトファーム生産

〇ベストターンドアウト賞
フラワーファースト2022 牡、鹿毛、2022年3月28日生まれ
父マクフィ
母の父ネオユニヴァース
杵臼牧場生産