馬産地ニュース

JBBA静内種馬場で2022年度後継者研修開講式

  • 2022年11月02日
  • 31年の歴史を誇る後継者研修の開講式
    31年の歴史を誇る後継者研修の開講式
  • 世界から集まったJBBAスタリオンズを見学
    世界から集まったJBBAスタリオンズを見学
  • 最先端の講師による講義は生産から育成など多岐にわたる
    最先端の講師による講義は生産から育成など多岐にわたる

 10月31日、公益社団法人日本軽種馬協会(河野洋平会長理事)は、新ひだか町静内田原にある静内種馬場において、2022年度軽種馬後継者研修の開講式を行った。

 この研修は、わが国の競馬をより一層発展させ、また、生産界の期待に応えうる後継者、スタッドマネージャーを養成するため、JRA日本中央競馬会の助成を得て平成4年にスタート。今年ですでに31年の歴史を有し、これまでに266名にのぼる後継者研修修了生を軽種馬生産界に送り出している。

 本年度の研修には、新ひだか町や新冠町、浦河町にある牧場から後継者や従業員10人が受講。研修期間は10月31日から11月11日まで、土曜日、日曜日を除く10日間になる。

 開講式には11人の研修生のほか、遊佐繁基場長ら職員が出席。遊佐場長は「いまだ新型コロナウイルスの収束が見えないなか、幸いにも競馬開催は休むことなく開催を続け、中央競馬においては先週時点で前年比106.4%を記録しています。また、今年は日本調教馬が海外で大活躍し、サウジカップデーで4勝、ドバイワールドカップデーで5勝をあげ、凱旋門賞には、ドウデュース、タイトルホルダーなどが挑戦し、競馬ファンのみならず一般メディアからも注目を集めました。これは強い馬づくりに対する競馬サークル全体の継続的な取り組みの結果といえます。

 一方、軽種馬生産界では、せり市場が継続して好調に推移しており、北海道市場においては、先のオータムセールをもって全日程を終了し、売却総額は165億円を超え史上最高額を記録、6年連続で売却総額100億円の大台を突破しました。これは生産者のみなさまが、強い馬づくりを目指して日々努力し、研鑽を積んだ結果とおもいます。

 しかし、せり市場は好調でしたが、依然、後継者不足の問題など、軽種馬生産界では、まだ多くの課題を抱えております。この状況を打開するためにも、強い馬づくりはますます重要であり、そのためには、この研修を受講されるみなさんのような意欲的な方々が、優れた技術を身につけていくことが不可欠でございます。

 みなさまが本日から受ける研修内容は多岐にわたっており、馬の飼養管理や繁殖など幅広い知識を、最先端の講師にお願いし、わかりやすく研修していただきます。研修中はどうか健康に留意され、ホースマンとしての研鑽に努め、そして、生産界に新たな活力をもたらす原動力にぜひなっていただきたいとおもいます」と河野会長理事の式辞を代読した。

 開講式の後は、ミスチヴィアスアレックス、アニマルキングダム、デクラレーションオブウォーといった繋養種牡馬、種牡馬を引退して功労馬として繋養されているイシノサンデーのほか、種付所、軽種馬生産技術総合研修センターといった施設を見学。続いて、研修所に移り、生産育成技術者研修第44期生とともに、初日の講義を受講した。