エーデルワイス賞(Jpn3)はマルカラピッドが勝利
ホッカイドウ競馬の快速牝馬ナンバーワン決定戦「第25回エーデルワイス賞(Jpn3)」が10月20日、門別競馬場で行われ、JRAの今野貞一厩舎所属で4番人気マルカラピッド(牝2歳、父マインドユアビスケッツ)が最後の直線で豪快に外から脚を伸ばして優勝。9月19日中京競馬場での未勝利戦に続く連勝で通算成績を3戦2勝としている。2着、3着にもJRAのエコロアイ、トモジャミが粘りこみレース史上初めてJRA勢が3着まで独占した。マルカラピッドを管理する今野調教師、騎乗した小沢騎手は、ともに重賞初勝利となった。
マルカラピッドの生まれ故郷は千歳市の社台ファーム。日本競馬史に燦然と、その名を残す名門牧場で、国内のみならず海外における活躍馬も枚挙に暇はないが、エーデルワイス賞(Jpn3)は初勝利。ダートグレード競走にその名を刻んだ。
同馬は日本競走馬協会主催セレクトセール取引馬。ドバイゴールデンシャヒーン(G1)2連覇などG13勝、ブリーダーズCスプリント(G1)2着の実績とともに輸入されたマインドユアビスケッツの初年度産駒として、またJRAで3勝を挙げた母ヴェルメンティーノの2番仔として1歳市場に上場され、そして3,300万円(税込)で現オーナーの日下部猛氏によって落札されている。
牧場時代のマルカラピッドについて「とにかくテンポ良く走る馬で、運動センスの高い馬だった」と社台ファームスタッフ。だから、小倉競馬でのデビュー戦でのそっとゲートを出たときは「驚きました」と笑った。
持ち前の運動能力を発揮して、あっさりと2戦目で勝ち上がると「輸送を苦にしない」(今野調教師)と門別競馬場へ。それでも1週間前に移動させてレースに備えた。
短距離戦らしく激しいものとなり、前半2ハロンが23.2秒で同3ハロンは35.4秒。その急流の中で圧倒的1番人気に支持されていたスティールグレイスが競走を中止するというアクシデントに見舞われ、場内が騒然とする中で4角では逃げたキューティロメラを3番人気エコロアイが交わし、2番人気トモジャミが迫ろうとする瞬間、外から全く違う脚色で伸びたのがマルカラピッドだった。勝ちタイムは1分13秒7(良)。
今野調教師は「良い状態でレースを迎えることができたので、期待していました。今時期の2歳馬にしては体質が強く、また能力も高い。距離に関しては未知数ですが、今日のような競馬ができればある程度は克服してくれるのではないかと思う」と述べ、小沢騎手は「馬群の中で競馬をするのは初めてでしたが、外に出したらすぐに反応してくれた。本当に頑張ってくれたと思います」と声を弾ませ「チャンスをいただいた関係者に感謝したい」と頬を紅潮させていた。