JBBA静内種馬場で育成技術講習会が行われる
10月20日夜、新ひだか町静内田原にある公益社団法人日本軽種馬協会静内種馬場研修所覆馬場において、育成技術講習会が行われた。
この育成技術講習会は、公益社団法人競走馬育成協会が主催。JRA日本中央競馬会と公益財団法人軽種馬育成調教センターが共催し、JBBAが協力した。新型コロナウイルス感染症の拡大により昨年、一昨年と、開催を中止せざるを得ない状況だったが、本年は関係各所の協力で開催にこぎつけた。
講習会のテーマは「馬と折り合うための技術」。講師にはJRA馬事公苑の北原広之上席調査役を招聘し、JRA馬事公苑普及課の吉澤和紘氏と西脇文泰氏が実演した。
開催にあたり主催者を代表して競走馬育成協会北海道支部の飯田正剛支部長は「本日は、ご多忙のところ、多数お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。さて、当協会主催の育成技術講習会は平成24年より毎年行われておりましたが、今年3年ぶりに開催することができました。これも快く会場やスタッフを提供してくださった日本軽種馬協会静内種馬場遊佐場長はじめスタッフのみなさまに、重ねて感謝申し上げます。今年の講習会は、2018年に開催され、大好評いただきました、実馬を用いた講習会の第2弾、馬と折り合うための技術、をテーマに企画いたしました。講演をお願いするのはJRA馬事公苑の北原広之さま、吉澤和紘さま、西脇文泰さま、のお三方でございます。いずれも馬術界のトップライダーでございまして、北原さまは、みなさまご記憶に新しいとおもいますが、東京オリンピックでご活躍されました。また、吉澤さまは全日本馬場馬術、西脇さまは全日本障害馬術でご活躍中でございます。お三方ともお忙しいなか、わたしたちの講習会のために駆け付けてくださいました。本当に感謝申し上げます。本日の講習会は、お集まりになったみなさまに、必ず役に立つという内容でございます。この講習会が有意義なものになりますようお祈りいたします」とあいさつ。会場には夜遅くにもかかわらず100人以上の牧場関係者、乗馬関係者らが集まった。
講師を務めた北原上席調査役は、昨年の東京2020オリンピックで活躍。これまでドイツを拠点に研鑽を重ね数々の国際大会で輝かしい成績を残してきた。現在はJRA馬事公苑で競走馬の育成調教技術のさらなる発展を目指した「競馬術」を提唱している。
北原上席調査役は、過去にトレセン等できゅう舎関係者向けに講演してきた経験をもとに、若馬育成で重要な馬と折り合う技術など、競馬術の神髄を「馬に騎乗しているときはただ乗るのではなく、馬といろいろな駆け引きを組み合わせて反応を見る、馬と会話をして騎乗しましょう。そうやって自分の技術を蓄積していきましょう」とレクチャー。吉澤氏と西脇氏は、普段、JBBA静内種馬場の生産育成技術者研修で研修生が騎乗している研修乗馬に騎乗して馬上で馬と駆け引きするやり方、馬上でのバランスと同調は取れているか、両拳(手綱)と両脚と騎座を総合的に使った馬への扶助、ハミ受け、馬のバランスの改善など実演した。