馬産地ニュース

静内農業高等学校がJRA日高育成牧場で視察研修

  • 2022年10月21日
  • 生産科学科馬事コース3年生の視察研修
    生産科学科馬事コース3年生の視察研修
  • 後期育成について講義をする遠藤祥郎専門役
    後期育成について講義をする遠藤祥郎専門役
  • ドライビングの実習
    ドライビングの実習

 10月19日、新ひだか町静内田原にある北海道静内農業高等学校(佐藤裕二校長)の生産科学科3年馬事コースの生徒が、浦河町西舎にあるJRA日高育成牧場において、後期育成についての視察研修を行った。

 この視察研修は文部科学省によるマイスター・ハイスクール事業(次世代地域産業人材育成刷新事業)に伴う講義のひとつ。静内農業高等学校は令和3年度から指定校に認可され、生産科学科馬事コースは、軽種馬生産育成界に新たな活力をもたらす原動力となる次世代の担い手になるべく、連携するJRA日本中央競馬会や公益社団法人日本軽種馬協会や日高軽種馬農業協同組合などから、より専門的な技術や知識を学んでいる。

 馬事コース3年生の視察研修は7月に続き2回目。前回は静内農業高等学校で生産した1歳馬のマドリガルスコア2021の北海道サマーセール上場に向けての研修だったが、今回はさらにそこから一歩踏み込んだ後期育成についての研修になった。講師はJRA日高育成牧場業務課の遠藤祥郎専門役、乗馬指導員の櫻木正樹氏、堀直人氏、飯田洋一郎氏が担当した。

 遠藤専門役は「後期育成には、ランジング、ドライビング、騎乗馴致などの初期調教期、基礎体力養成の基礎トレーニング期、速く走る(ピッチ×ストライド)競走トレーニング期と3つのステージがあります」と説明。続いてJRA日高育成牧場で実践する、初期調教期での目標や馴致のポイント、馴致を進めるにあたっての留意点、騎乗馴致の目的、騎乗馴致の流れ、基礎トレーニング期の目標、覆馬場、屋内800m周回馬場、屋外1600m周回馬場、屋内1000m直線坂路、トレッドミルでの運動方法、乳酸値測定、調教メニューなど、競走トレーニング期での目標、調教メニュー、ハッキングなどを動画を交えて紹介し、「3つのステージははっきりと分けられるわけではなく繋がっている。育成牧場としては初期調教期と基礎トレーニング期が重要ではないかと考えている」などと話した。

 実習では石丸睦樹場長が見守るなか、櫻木氏、堀氏、飯田氏の指導のもと、リトレーニングされた元JRA育成馬や今年の1歳市場で購買し来年のJRAブリーズアップセールへ向けトレーニングを積んでいるJRA育成馬を用いてタオルパッティング、馬房内でのジャンプ、横乗り、騎乗、丸馬場や放牧地でのドライビングを練習した。