瑞穂賞はドテライヤツが33戦目で重賞初制覇
11月10日に行われる道営記念に向けての重要な1戦「第55回瑞穂賞」が10月13日、門別競馬場で行われ、浦河町の三枝牧場生産で8番人気ドテライヤツが道中後方待機から最後の直線で大外一気の末脚を炸裂。1分53秒3のタイムで、通算5勝目を重賞初勝利で飾った。2着にも10番人気ハセノパイロが入って、馬番連勝単式馬券は66,000円を超える波乱となった。1番人気クインズサターンは4着。2番人気グリントビートは3着だった。
ドテライヤツは父サウスヴィグラス、母ハッピーメイカー(その父ネオユニヴァース)という血統。南関東の川崎競馬からデビューし、4戦目で初勝利。東京湾カップ5着と高い能力を垣間見せてはいたが、南関東22戦3勝の成績を残し、今シーズンからホッカイドウ競馬に移籍。前々走「レイデオロ・プレミアム」で移籍後初勝利を記録していた。通算成績は33戦5勝。同馬を管理する角川秀樹調教師は歴代最多となる瑞穂賞6勝目、騎乗した阿部龍騎手も通算3つめの瑞穂賞タイトルとなった。
前半1000m通過タイムは62秒1。やや重馬場だったとはいえ、結果的には逃げ、先行馬が総崩れとなる早い流れの中、それまで先行して渋太い競馬をしてきたドテライヤツは「馬のリズムを最優先しました」(阿部騎手)と悠然と後方を進んでいた。前走の長月特別は離れた2番手から逃げ馬を捕まえに行く役割を担い、早めに先頭に立ったところをクインズサターンに差し込まれてしまったが、その差はわずか0.1秒差。今回、レースに向けての坂路コースでの追いきりでは、いつにない動きを見せていたこともあって、内心は期するものがあったようだ。
「終始、手応えはよかったですし、ほかの馬が見える位置にいましたので、ギリギリまでそれらの動きを見ながらレースを進めることができましたが、強い競馬をしてくれました」と会心の騎乗に阿部騎手もニッコリ。「いつも、一生懸命に走ってくれる馬。これからも自分の力を出してくれると思う」と伸び盛りの5歳馬にエールを送った。
ドテライヤツは4月の門別デビューからほぼ月2回のローテーションを守ってこれが11戦目。このレースの前まで8戦連続して掲示板を確保するなど堅実な走りを見せてきた。「丈夫な馬で使われながら、調子を上げてきた。まだ最後、道営記念が残っているので、その時も今日のような走りを見せてほしい」とインタビューを締めくくった。
史上初の道営記念3連覇を目指すクインズサターンは9歳馬。ニュースター候補の登場で開催を締めくくる大一番は盛り上がりを見せそうだ