ウポポイオータムスプリントはスティールペガサスが待望の重賞初制覇
上位2頭までに、年度の最終日に行われる道営スプリントへの優先出走権が与えられると同時にJBCスプリント(Jpn1)の指定競走にもなっている「第3回ウポポイオータムスプリント」(H2、ミッキーアイル賞)が9月29日、門別競馬場1200mで行われ、新ひだか町グランド牧場生産で1番人気スティールペガサスが1分11秒9で優勝した。手綱を取った桑村真明騎手、管理調教師の角川秀樹調教師はいずれも同レース初勝利となった。
スティールペガサスは父サウスヴィグラス、母ホールドミータイトという血統。説明不要の大種牡馬を父に持ち、祖母プリエミネンスは牝馬ながらにエルムS(G3)など中央、地方のダートグレード競走8勝、JBCクラシック(Jpn1)2着という活躍牝馬だ。2018年北海道市場サマープレミアムセールにおいて1,836万円(税込)で取引され、角川秀樹調教師の管理下でデビュー。2戦目に初勝利を挙げたあとは長距離路線を歩み、思うような結果を残せなかったが、昨年の夏からは短距離路線へとシフトし安定した力を出せるようになってきた。
5歳となった今シーズンは4月の「アドマイヤマーズ・プレミアム」から始動。5月のエトワール賞こそ、早めに先頭に立ったところを9歳馬フジノパンサーの大外一気を許してしまったものの、6月のダートグレード競走「北海道スプリントカップ(Jpn3)」は地方競馬所属馬最先着の5着。7月の「モーリス・プレミアム」8月の「愛別きのこフェス特別」と2連勝。月1回のローテーションをきっちりと守りながら、門別競馬場1200mで実績を積み上げてきた。
この日はJRAの元オープン馬など骨っぽいメンバーが相手だったが、いつものように先手を奪ったアザワクを射程圏内に収めながらレースを進め、残り200m地点で並びかけると最後の100mであっさりと2馬身ほど突き離した。
この馬の持ち味であるスピードと瞬発力を十分に引き出した会心の勝利に、桑村真明騎手は「道中は前走ほどの手応えではなかったですが、イメージどおりのレースができました。2歳の時から期待の大きな馬でしたから、重賞を勝てて嬉しい」と笑顔。
角川秀樹調教師も「セールでは、オーナーに無理を言って買ってもらった高額馬なので、プレッシャーもあった。重賞競走を勝つことができて、ほっとしている。いつも以上に嬉しい」と安どの表情を見せ「ここがゴールではない馬。このあとは2着アザワクとともに道営スプリントを目指す予定で、さらに良い状態で2頭ともレースを迎えたい。今シーズンも残りわずか、悔いの残らないようなレースで締めくくりたい」と言葉に力を込めた。