サンライズカップはオーマイグッネスが逃げ切り勝ちで重賞初制覇
JRA中山競馬場で行われるホープフルS(G1)に向けてのブロック代表馬選定競走であると同時にJBC2歳優駿(Jpn3)の指定競走にもなっている「第22回サンライズカップ(マクフィ賞)」が9月22日、門別競馬場の外回り1800mで行われ、日高町沖田牧場生産で3番人気オーマイグッネスが3頭による激しい先行争いを制して1分55秒6(やや重)で逃げ切り勝ち。6月のパール特別、7月のブリーダーズゴールドJrC、8月のサッポロクラシックCと3戦連続して先着を許してきた同厩舎ベルピットに“4度目の正直”で重賞初勝利を記録した。
生産の沖田牧場は昭和5年創業という歴史ある牧場。代表の沖田正憲さんは日高町獣医師会の会長も務めるなど二足の草鞋を履きながら、13年中山記念(G2)など重賞3勝ナカヤマナイト、97年北九州記念(G3)に勝った快足ダンディコマンド、92年京都金杯(G3)など重賞2勝ホワイトアローなどを送り出している牧場だ。
オーマイグッネスの血統は父マクフィ、母ブライズメイト。母も沖田牧場の生産馬で、2007年のホッカイドウ競馬フレッシュチャレンジ競走優勝馬。ホッカイドウ競馬終了後、南関東へ移籍し同年の東京2歳優駿牝馬2着、翌年の関東オークス(Jpn2)3着という活躍牝馬だ。14年サンライズカップ2着ハニームーンの母でもあり、ホッカイドウ競馬とは馴染み深い血統だ。
オーマイグッネスは、そのブライズメイトにとっての8番仔。先行力を武器に、デビュー2戦目で初勝利を上げたものの重賞初挑戦となったブリーダーズゴールドJrCはポリゴンウェイヴと激しい先行争いを演じて2着。前走サッポロクラシックCはマイペースで逃げたものの僚馬ベルピットにぴったりとマークされるような位置関係となって2着と惜敗を重ねていた。
この日、6月のパール特別以来、3戦ぶりに手が戻った阿部騎手に迷いはなかった。「この馬の持ち味が生きるのは逃げた時」と果敢に先行策。もともと「長距離戦が好き」という同騎手のペース判断に狂いはなく、一見すると前3頭が飛ばす展開になったものの前半1000m通過ラップは63秒7と決して無謀なペースではない。3角手前でひと息入れた後に早めスパートで後続のスタミナ脚をなし崩しに使わせるファインプレーで、加速力と粘りを身上とする愛馬の持ち味を十分に生かし切った。
このレースに5着だったグラビティモデル含め3頭をエントリーさせていた角川調教師は「3頭ともよい状態で送り出すことができましたが、その中で惜敗を重ねていたオーマイグッネスがタイトルを獲ることができて嬉しいです。JBC2歳優駿(Jpn3)はさらに強いメンバーが揃って厳しいレースになると思いますが、今日以上の仕上げで挑みたい」と意を新たにしていた。