リリーカップはスティールグレイスが3馬身差で重賞2連勝を飾る
上位2着までにダートグレード競走「エーデルワイス賞(Jpn3)」の優先出走権が与えられる第19回リリーカップが9月21日、門別競馬場で行われた。
1着賞金300万円というホッカドウ競馬H3格付けのレースながら過去5年の優勝馬のうち4頭がNARグランプリ2歳最優秀牝馬に選ばれるという出世レース。今年も快足自慢の14頭がエントリーし、門別競馬場のダート1200m戦を舞台にスピードと完成度の高さ、そして豊かな将来性を競った。
勝ったのは日高町の有限会社グッドラック・ファーム生産で1番人気のスティールグレイス(牝2歳、道営・角川秀樹厩舎)。今回と同じ舞台の栄冠賞では思わぬ敗戦を喫しているだけに、レースの前は前走フローラルカップからの距離短縮を疑問視する声もあったが、それを完封する快勝劇。この勝利で、堂々とJRA勢を迎え撃つことになった。
引き当てた枠順は大外の14番枠。それでも、ゲートは互角だったが、最初の2ハロンが22秒7というハイラップに中団待機。それでも、中団でしっかりと脚を溜めると3~4角で進出開始。外々を回りながら最後までしっかりと脚を伸ばして2着馬を3馬身突き離し、通算成績を5戦4勝としている。勝ちタイムは1分13秒1(重)。2着には4番人気リコシェが入り、この2頭がエーデルワイス賞(Jpn3)への優先出走権を手中にした。
この勝利で歴代ダントツのリリーカップ最多勝、11勝目となった角川秀樹調教師はレース後のインタビューで「前走フローラルカップのあとも順調に来ていましたので、自分の競馬ができれば、結果はおのずとついてくるものだと思っていました」と愛馬に対する自信をのぞかせ「昨年の北海道市場サマーセールで一目惚れした馬。オーナーにお願いして購入いただいた馬なので嬉しい」と相好を崩し「入厩した時からエーデルワイス賞(Jpn3)を最終としていた馬です。今日以上の仕上げで、ファンの皆さんに良いパフォーマンスをお見せしたい」と自信をのぞかせた。
手綱を取った桑村騎手は「レースに向けて状態が上がっていたので楽しみにしていました。向こう正面から勝負どころにかけての手応えもよく、楽なレースでした」と振り返り「瞬発力があって、どんな競馬もできるのがこの馬のセールスポイント。今日は抜け出してから少しモタれ加減でしたが、それでも強かったと思います」と愛馬を称えた。
父ハタノヴァンクールはグッドラック・ファームのオーナーブリーディングホースで現役時代はジャパンダートダービー(Jpn1)、川崎記念(Jpn1)など17戦7勝。キングカメハメハの4世代産駒で、同期にはホッコータルマエなどもいる世代。生まれ故郷のグッドラック・ファームで種牡馬生活を送っているものの、昨年、一昨年と種付頭数を減らしてしまっていた、孝行娘の活躍は心強い限りだろう。