JBBAが第2回担い手経営管理研修
9月26日夜、公益社団法人日本軽種馬協会は、新ひだか町静内本町にある日高生産連ビル3階会議室において、「第2回担い手経営管理研修~軽種馬生産の担い手を対象とした経営支援に係る研修~」を開催した。
この研修は令和4年度軽種馬経営高度化指導研修事業のひとつ。軽種馬生産育成牧場の円滑な経営に必要な知識の習得と地域での支援体制の強化を目指し、軽種馬生産の担い手を対象とした経営支援に係る研修で、経営継承者および後継者、地域において軽種馬生産の担い手を支援する自治体、農協等の職員を対象にしている。
この日の研修は6月に次いで2回目。琉球大学農学部の杉村泰彦教授を講師に招き、「経営の担い手は広い視野で考えるべきという4つのトピック」を演題に講義が行われた。
杉村教授は徳島県出身。2005年から2014年まで酪農学園大学に勤務し、2010年から軽種馬生産と関わるようになった。酪農学園大学勤務時は軽種馬生産や競馬産業が専門分野ではなかったが、「これからの担い手向けなので、違う視点からの研修を」と白羽の矢が立ち、軽種馬生産の担い手の経営支援に係る研修に携わるようになったという。
講義のなかで杉村教授は、収益性、安定性、生産性、成長性から、繁殖牝馬1頭あたりや労働力1名あたりに直して、ほかの経営や「軽種馬生産費等調査」の数値と比較して、「自経営の位置を把握してみることも重要」と説明。永久に儲かる事業はこの世に存在しない、という事実を受け入れなければならないとした。
また、「畜産は世界経済とリンクし想定外の動きがあり、しかもその動きはかなり速い」と、昨今のウクライナ情勢や円安、飼料費高騰、コロナ禍の影響などを例に上げて、「旧来の枠組みにとらわれ過ぎないこと」、「変動リスクへの対応を考えるということ」、「徹底的に記録してみるということ」、「違う分野のことも積極的に知るということ」の4つを経営に必要なポイントと指摘し「世界の競馬も畜産も知る必要があるのではないか」と結んだ。