ホッカイドウ競馬の総決算「道営記念」への重要なステップレース「第8回旭岳賞」(ゴールドドリーム賞)が9月15日に行われ、新ひだか町の岡田スタッド生産で3番人気ルールソヴァールが早め先頭から後続の追撃をクビ差退けて優勝。一昨年の旭岳賞以来2年ぶりの重賞制覇を成し遂げた。勝ちタイムは2分10秒2(良)。この勝利で通算成績を39戦12勝2着9回3着2回(JRAで26戦6勝2着6回)としている。管理する田中淳司調教師は今年のイノセントカップに続く重賞勝利で今年5勝目、通算75勝目(他場含む＝9月20日現在)。手綱を取った桑村騎手にとっては今年のサッポロクラシックカップに続く重賞勝利で今年6勝目、通算48勝目。

 全兄にJRA賞最優秀ダートホースのサウンドトゥルーがいて、半弟にアンタレスS(G3)、ダイオライト記念(Jpn2)優勝でチャンピオンズカップ(G1)3着アナザートゥルースがいる血統馬。ルールソヴァール自身も6歳時にはダートグレードの佐賀記念(Jpn3)を勝っている実力馬だ。

 同馬は8歳初夏、新天地での活躍を求めてホッカイドウ競馬に移籍。いきなり3連勝で旭岳賞を制するなどさすがJRAオープン馬というところを見せ、道営記念には2年連続して挑戦。一昨年は早め先頭の積極策もゴール前で勝ち馬の強襲にあい2着。昨年はじっくりと構えて直線勝負にかけるも3着と涙を飲んでいる。

 今年はオープン特別の「キズナ・プレミアム」から始動。ここを無事通過し、春シーズンの最大目標だった「赤レンガ記念」では1番人気の支持を受けるも、スタート直後に内外から挟まれる不利を最後まで挽回できずに不完全燃焼の4着。もともと暑い時期はあまり得意としていないため、夏を厩舎で過ごし、ここが秋シーズンの初戦だった。

 今回から手綱を取ることになった桑村真明騎手は、直前に行われた本馬場での追いきりにも騎乗し調子の良さを感じていたと言う。「馬の力を信じてスムーズな競馬を心掛けた」と好スタートから3番手の位置をキープ。終始、前を行く馬を射程圏内に収めながら早めにこれをとらえて追い込む１番人気を抑え込んだ。その時、3着馬は8馬身後方に置かれていた。

 レース後、田中淳司調教師は「重賞では悔しいレースが続いていたので、(結果を出すことができて)ホッとしました。2着馬との着差はわずかでも強い内容だったと思います」とレース内容を評価。あくまでも今後の状態次第ということを前提に、今後は道営記念を目標に調整を続けたいと述べた。