ブリーダーズGC(Jpn3)はグランブリッジが勝利
グランダムジャパン古馬シーズンの第6戦「ブリーダーズゴールドカップ」はJBCレディスクラシック(Jpn1)を除けば、南関東地区以外で実施される唯一の古牝馬によるダートグレード競走。昨年は、マルシュロレーヌがこの舞台をステップに米国ブリーダーズカップディスタフ(G1)へと挑み、そして日本競馬史上初めて国内調教馬として米国のダートG1競走を制したことでも話題となった。
あれから1年。今年は8月11日、豪雨に見舞われた門別競馬場の2000mコースで行われ、福永祐一騎手騎乗で3番人気グランブリッジ(栗東・新谷功一厩舎)が4コーナーで先頭に立ち、そのまま2分5秒3で先頭ゴールイン。関東オークス(Jpn2)に続くダートグレード競走2連覇を達成した。
グランブリッジの生産牧場は新ひだか町三石富沢の金舛牧場(同馬の生産者名義は金舛幸夫さん)。現在、代表を務める金舛洋子さんの義父にあたる富夫さんによって馬産の歴史をスタートさせている。
「門別競馬場で応援させてもらいました。雨もすごかったですが、お客さんもすごく多く感じてびっくりしました。グランブリッジを見るのは久しぶりでしたが、500キロを超えるような馬がたくさんいる中で最軽量の438キロ。3歳馬はまだ勝っていないレースというデータも気になりましたし、古馬と同じ55キロの斤量を背負っていましたので、とにかくケガなく、無事にレースを終えてほしいと思っていました」。
とはいえ、牝馬限定戦となった2014年から数えて3歳馬は【0・2・4・8】と勝てないまでも約半数が馬券に絡んでおり、このうち5番人気以内馬に限れば【0・2・4・0】と十分すぎるくらいに人気に応えている。
叩きつけるような雨の中、1週目ゴール板前を4番手で通過したグランブリッジは3コーナー過ぎからスパート。4コーナーを先頭で回ると、ゴール前で差を詰めてきたプリティチャンスをクビ差抑え、先頭でゴールへと飛び込んだ。
「ほんのわずかですが残ってくれたのはわかりました。嬉しいというよりも、信じられない思いです」と声を弾ませた。
牧場時代のことを尋ねると「母親は勝気なタイプなのですが、この馬はおとなしく、手がかからないタイプでした。生まれた時は普通サイズだったと記憶していますが、成長曲線がゆっくりで、なかなか背が伸びてこなかったことを覚えています」とのこと。そのためセプテンバーセールを選び、サイプレスホールディングス(同)によって3,410,000円(税込み)で落札されている。
「本当に頑張ってくれたと思います。秋はまた大きなレースにチャレンジしてくれると思いますが、とにかくけがをしないように頑張って欲しいです」と、母のような心で見守っている。