フローラルCはスティールグレイスが勝利
道営ホッカイドウ競馬の2歳牝馬重賞「JRA認定 第22回フローラルカップ(ダノンプレミアム賞)が8月10日、門別競馬場で行われ、桑村真明騎手騎乗の1番人気スティールグレイス(角川秀樹厩舎)が優勝。1番人気を裏切ってしまった前走「栄冠賞」の雪辱を果たすとともに、ブロッサムカップへと優先出走権を手中にした。
スティールグレイスの生まれ故郷は、門別競馬場からは車で10分少々の距離にある日高町の(有)グッドラック・ファーム。過去にはデイリー杯2歳S(G2)に勝ったテイエムイナズマやジャパンダートダービー(Jpn1)や川崎記念(Jpn1)の優勝馬ハタノヴァンクール、園田競馬で兵庫クイーンセレクション、のじぎく賞などを勝ったニネンビーグミなどを送り出している牧場だ。かつては、「ハタノ」の冠名を使って生産馬の多くを自己所有馬として走らせていたが、近年では生産馬のほとんどを市場で売却するように形態をシフトさせている。
「フローラルカップ当日は、門別競馬場で応援していました」と満足そうな笑顔を浮かべたのは同ファームの畑大介常務取締役。「距離とか、内回り、外回りの違いはありましたが、馬群の中でじっと脚を溜めて、4コーナーでは外から抜け出すというのは、デビュー2戦目のウィナーズチャレンジ競走と同じような競馬になりましたね。前走と同じような馬場状態でしたが、道中、良いポジションをキープできていたので、安心してみることができました。桑村騎手が上手にリードしてくれたと思います」とほっとしたような表情を見せてくれた。
同馬は父ハタノヴァンクール、母ファーマシスト(その父シャマーダル)という血統。 父は、その名前のとおりにグッドラック・ファームのオーナーブリーディングホース。同期にはホッコータルマエもいる2009年生産馬だが、ダートに限ればデビューから不敗の4連勝でジャパンダートダービー(Jpn1)に勝ち、3歳暮れの東京大賞典(G1)ではローマンレジェンドの2着。この時はワンダーアキュートやエスポワールシチー、フリオーソ、トランセンドなど錚々たるメンバーに先着している。
2016年から種牡馬生活をスタートさせ、スティールグレイスは4世代目産駒で初の重賞勝ち馬となった。「ハタノヴァンクールの子は総じて言えば大きすぎず、小さすぎず、バランスが良い馬が多いといわれます。この馬は背は普通サイズでしたが、1月生まれということもあって北海道市場サマーセールに上場させたときからお母さんに似てボリュームのある馬でした」と牧場で過ごした当時のことを話し「ハタノヴァンクールの子で重賞競走を勝てたことは本当に嬉しいですし、1600mの距離で強い勝ち方をしてくれたことで期待が膨らみます」と目を輝かせている。