馬産地ニュース

令和4年度装蹄師認定講習会の北海道研修が行われる

  • 2022年07月27日
  • JBBAスタリオンズをモデルに装削蹄を学ぶ第28期生
    JBBAスタリオンズをモデルに装削蹄を学ぶ第28期生
  • 北海道研修では第一人者による講義も受講
    北海道研修では第一人者による講義も受講
  • 種付所を見学。様々な施設を見て回った
    種付所を見学。様々な施設を見て回った

 7月18日から24日、栃木県宇都宮市にある公益社団法人日本装削蹄協会装蹄教育センターは、令和4年度装蹄師認定講習会の北海道研修を実施した。

 北海道研修に参加したのは、18歳から22歳までの第28期生16人。近年では平均年齢が最も若いという。

 第28期生16人は18日に羽田空港から空路で帯広空港へ移動。午後から早速十勝帯広競馬場で競馬場の施設やばんえい競馬を見学した。

 2日目は朝から浦河町西舎にあるJRA日高育成牧場へ赴き、JRA日高育成牧場で繋養されるJRAホームブレッドの繁殖牝馬で装削蹄実習。午後からは軽種馬調教育成センターの施設を見学したあと、JRA日高育成牧場の松井朗上席調査役による「装蹄師に必要な馬の栄養学」についての講義を受講した。

 3日目は日高地区で開業する北海道日高装蹄師会の会員が講師となり、浦河町にある大北牧場とヒダカファームで削蹄実習。生産地の最前線で文字通り馬の脚元を支える装蹄師の装削蹄技術を目の当たりにした。

 4日目は新ひだか町三石東蓬莱にある北海道農業共済組合家畜高度医療センターの施設見学や佐藤正人獣医師による「生産地の運動器疾患」、「肢軸矯正の外科処置」の講義を受講。フットケアにおける生産地の最新医療について見聞を広めた。続いて新ひだか町静内神森にある日高軽種馬農業協同組合静内支所へ移動し、北海道市場の施設を見学。競走馬のせりについて学んだ。

 午後は新ひだか町静内田原にある日本軽種馬協会静内種馬場を訪問。金子大作装蹄師が講師となり「生産地での肢軸管理」について学んだ。講義後はデクラレーションオブウォー、アニマルキングダム、ミスチヴィアスアレックスといった種牡馬を見学。種牡馬の歩様や肢軸によってどのように装削蹄するかアドバイスを受けた。この日は北海道日高装蹄師会の会員を講師に装削蹄の実習をした。

 5日目は午前中に日高を代表するオーナーブリーダーとして知られる新冠町のノースヒルズで視察や繋養馬を見学。コントレイルやキズナなどを育てた強い馬づくりについての取り組みについて講話された。午後からは多くのトップサイアーを繋養する安平町早来源武の社台スタリオンステーションを訪問し種牡馬を見学。さらにノーザンファームでは全国装蹄競技大会で優勝実績を持つ装蹄師や獣医師から装蹄療法を学んだ。

 6日目は千歳市東丘にある社台ファームと安平町追分にある追分ファームを訪問。装蹄実習や施設見学などを行った。

 日本装削蹄協会装蹄教育センターは、競走馬や乗用馬などの軽種馬の脚もとを専門的にケアする装蹄師を養成する国内唯一の教育機関。装蹄師を志す者は装蹄師認定講習会で装蹄に関する知識や技術を学び、認定試験に合格すると認定資格審査会による2級認定装蹄師の資格認定を受けて、はじめて2級認定装蹄師資格を取得することができる。講習機関は1年間で全寮制になる。

 日本装削蹄協会装蹄教育センターでは、来年4月に開講する令和5年度装蹄師認定講習会第29期生の受講生を募集。受講願書の請求、問い合わせは日本装削蹄協会装蹄教育センター
(〒320-0851 栃木県宇都宮市鶴田町1829-2
 tel:028-648-0007 http://sosakutei.jrao.ne.jp/)まで。