フルールカップはアサクサロックが一番人気に応え重賞初制覇
世代初の牝馬限定重賞であり、10月20日に行われるエーデルワイス賞(Jpn3)への重要なステップレース「第9回フルールカップ」が7月14日、門別競馬場で行われ、浦河町の絵笛牧場生産で1番人気アサクサロックが、道中は後方3番手から最後の直線で大外から強襲。1番人気に応えて優勝した。
アサクサロックは父ダンカーク、母アイスカチャン(その父ゴールドヘイロー)という血統。浦河町の絵笛牧場の生産馬で、昨年の北海道市場サマーセールの取引馬だ。
絵笛牧場は1957年(昭和32年)創業。現代表の松田直彦さんの祖父、長治さんによって馬産の歴史がスタートし、先代の芳宏さんの時代から本格的に馬産がスタート。05年からは法人の絵笛牧場として名称を変更して現在にいたり、その歴史の中で1989年のウインターS(G3)を勝ったマルブツスピーリアや、16年フェアリーS(G3)優勝馬ビービーバーレル。あるいは今春の羽田盃を勝ったミヤギザオウなどを送り出している。
今回、牧場テレビでレースを観戦していたという松田直彦社長は「せっかく人気にしていただきましたので、その人気に応えて欲しいなという思いと、キャリアの浅い2歳馬ですから先々につながるような競馬をしてくれたら良いなという思いが入り混じるような気持ちで見ていました」。
ところが、まさかの立ち遅れ。道中は、これまで経験したことないような位置に置かれてしまったが、ゴールでは先に抜け出した2着をきっちととらえて先頭ゴールインを果たしている。
「道中、かなり離されていたので最後まで届くのかどうか、ハラハラドキドキでしたけど、勝ってくれて良かった」と目尻を下げた。
母のアイスカチャンは九州ジュニアチャンピオン3着で、岩手競馬の3歳牝馬限定重賞「あやめ賞」優勝馬。その後、南関東の大井競馬場へ移籍し、8勝を挙げるなど息の長い活躍をした。
「地方競馬所属馬としては珍しいくらいにファンの多い馬で、牧場に足を運んでくれた方も何人かいらっしゃいました」
そんなアイスカチャンの配合相手に選んだのは米国産ダンカーク。「初年度産駒が3歳になった春の種付けでした。シークレットランが葉牡丹賞をレコード勝ちしたり、地方競馬では多くの活躍馬を出していたりしたので、見どころがある種牡馬だと思いました。生まれたときのアサクサロックは、牝馬としては骨量、筋肉量に恵まれた馬だと思いました」。生産者のそうした思いに応えるようにダンカークは中央・地方で勝ち馬を量産。のちのアサクサロック「アイスカチャン2020」は北海道市場サマーセールに上場され、ホッカイドウ競馬の斎藤調教師、和田オーナーの目に留まり、競走馬への道を踏み出した。
「実は、アイスカチャンはセプテンバーセールに上場予定の1歳(父ホッコータルマエ)を最後に亡くなってしまったのです。アサクサロックは、無事に長く競走生活を送ってもらうことが1番ですが、この姉妹には母親の分まで頑張ってほしい」と期待されている。