セレクトセール1歳が開催される
一般社団法人日本競走馬協会(河野太郎会長)が主催するセレクトセール1歳が7月11日(月)、苫小牧市のノーザンホースパークにおいて行われた。
上場頭数は233頭(牡140,牝93)で、売却頭数は222頭(牡134, 牝88)、売却率は95.3%。総売上額は141億5,700万円、5年連続で100億円を超えて、レコードを記録した昨年から13億6,070万円上乗せした。売却率も5年連続90%超。こちらも昨年のレコードを1.9pt更新している。平均価格は6,377万270円で、初の6,000万円超、中間価格は4,620万円でこちらも史上初めて4,000万円を超えた。
最高価格馬は上場番号76番「モシーンの2021」(牡、父モーリス)。母モシーンはオーストラリアのVRCオークス(G1)、同VRCギニー(G1)など4つのG1競走を制した名牝で、半姉プリモシーンは強烈な末脚を武器に牡馬を相手に東京新聞杯(G3)、関屋記念(G3)に勝利するなど重賞3勝ほかヴィクトリアマイル(G1)2着の活躍牝馬。ファーストビッド2億円から始まったせりは複数の購買者から声がかかり、最終的には495,000,000円で(株)ダノックスが落札した。1歳市場においては一昨年のショウナンアデイブの561,000,000円に次ぐ史上2番目の高額落札馬となった。
高額2位は同96番「ジェイウォークの2021」(牡)。父はタイトルホルダーやスターズオンアースを出しながらも昨年夏に急逝したドゥラメンテで、母ジェイウォークが米2歳牝馬チャンピオンという血統。こちらは330,000,000円でツーワンレーシングが落札している。
高額3位は同9番「アウェイクの2021」(牡、父エピファネイア)の275,000,000円で、金子真人ホールディングス(株)が競り合いを制している。
また、牝馬では全体では7番目の高額馬となった同58番「コーステッドの2021」(父ダイワメジャー)の231,000,000円。今春のクラシックを賑わせたダノンベルーガの半妹で、藤田晋氏が落札。これらの結果、1億円以上で取引された馬が35頭という驚くべきマーケットとなった。
市場長代理で吉田勝己ノーザンファーム代表は「ひと言でいえば驚きしかない。特定の高額馬だけではなく、幅広い層で活発なせりが行われたのが印象的だった。上場馬のレベルが上がり、セール出身馬の活躍という後押しによって、このせりで馬を買いたいという人が増えたことが要因ではないか。結果的に終わる時間が遅くなってしまったが、良いせりが開催できたと思う」とのコメントがあった。