栄冠賞はコルドゥアンが世代最初の重賞勝利に輝く
2020年生まれ世代初の重賞「第47回栄冠賞(JBC協会協賛モズアスコット賞)」が28日、門別競馬場で行われ、道中は最後方に位置していた日高町(有)サンシャイン牧場生産コルドゥアンが最後の直線で大外から一気に脚を伸ばして1分13秒0(不良)で優勝。14頭立て14番人気という低評価を覆し、世代最初の重賞ウイナーとなった。通算成績4戦2勝(重賞1勝)。総賞金は6,500,000円。
(有)サンシャイン牧場は1978年創業。全日本総合チャンピオンサイアー2度の快速アローエクスプレスや桜花賞馬ブロケードなどオーナーとして、あるいは心に残るような印象的なネーミングなどでオールドファンには有名な伊達秀和氏が開設した牧場で、過去には1999年の桜花賞馬プリモディーネや83年愛知杯に勝ったアローボヘミアン、2007年東京ダービー馬アンパサンド、同じく2016年東京ダービー馬バルダッサーレ、あるいはコルドゥアンの父で2012年の東京ダービー馬プレティオラスなどを送っている。プレティオラスは東京ダービーほか東京記念(2回)、大井記念などに勝ち、2019年から種牡馬入り、初年度の生産頭数6頭ながらも世代最初の重賞ウイナーを送り出して注目を集めることになった。
降りしきる雨の中で、キャリアの浅い2歳馬同士の1戦。レースは激しいものとなった。ゲートが開いて、もっとも早く飛び出したのはライトニングブルーだった。続いて、門別競馬場の能力検定レコード保持者でスーパーフレッシュチャレンジ競走の優勝馬ポリゴンウェイヴ、エイシンヒカリ産駒エイシンケプラーが続き、最初の2ハロンは22秒2で、前半3ハロンは34秒1。不良馬場とはいえ、芝並みの猛ラップが刻まれた。当初、騎乗予定だった石川騎手が病気のため急遽乗り替わった石堂響騎手はこの日から期間限定騎乗で兵庫県から移籍してきた若手騎手。最後方待機から、大外に持ち出して豪快な末脚を引き出し、13頭をごぼう抜き。門別競馬場での初勝利が自身にとっても初の重賞タイトル勝ちとなった。
レース後、石堂騎手はインタビューで「ゴール直後にターフビジョンを確認したら、ほかの馬が映っていたので、届かなかったのかなと思ったのですが。勝ててうれしい。自分でも驚いています。キャリアの浅い馬なので揉まれないような競馬を心掛けたのですが、ほかの馬が早くて結果的に最後方からの競馬となりました。乗せていただいた関係者の方々には感謝したいと思いますし、コルドゥアンはホッカイドウ競馬を引っ張っていけるような馬になってほしいと思います」と喜びを語った。
コルドゥアンの6代母はアローエクスプレスの母であり、皐月賞馬ファンタストの祖母ソーダストリーム。時代を築き上げた名馬たちを送り出した名血が降りしきる雨の中で光輝いた。