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デクラレーションオブウォーの本邦初年度産駒が中央・地方で初勝利

  • 2022年06月27日
  • 中央・地方で本邦初年度産駒が勝ち上がったデクラレーションオブウォー
    中央・地方で本邦初年度産駒が勝ち上がったデクラレーションオブウォー
  • 産駒は世界中で活躍。日本でも期待が高まる
    産駒は世界中で活躍。日本でも期待が高まる
  • 種付シーズンも終盤に入り英気を養う
    種付シーズンも終盤に入り英気を養う

 2019年から新ひだか町静内田原にある日本軽種馬協会静内種馬場にて種牡馬として供用しているデクラレーションオブウォーの本邦初年度産駒が、中央競馬と地方競馬で相次いで初勝利をあげた。

 中央競馬の初勝利は6月18日の第3回東京競馬第5日、第1競走の2歳未勝利戦(芝・左1400m)。C.ルメール騎手が騎乗した1番人気のロードディフィートが1分22秒9のタイムで優勝。自身デビュー2戦目での初勝利が父のJRA初勝利となった。

 地方競馬の初勝利は6月24日の第7回名古屋競馬第4日、第6競走に組まれた2歳新馬戦(ダート900m)。2番人気のアービトレーションが後続に3馬身差をつけデビュー戦を飾り、父のNAR初勝利となった。

 ロードディフィートは母がカディーシャ、母の父がダイワメジャーという牡の鹿毛。(株)ロードホースクラブの所有馬、美浦の和田勇介厩舎の管理馬、日高町の藤本ファームの生産馬。2021年の北海道サマーセールにおいて18,700,000円(税込)で取引された市場取引馬で、このセールにおける取引馬のJRA初勝利でもあった。

 アービトレーションは母がレッドランタン、母の父がオレハマッテルゼという牝の青鹿毛。森田裕樹氏の所有馬、愛知の錦見勇夫厩舎の管理馬、登別市の青藍牧場の生産馬で、今年の北海道トレーニングセールにおいて2,200,000円(税込)で取引された市場取引馬になる。今年の北海道トレーニングセール取引馬による勝利は初めて。セール取引から1か月での勝利で、今年国内で開催されたトレーニングセールの取引馬としても最初の勝利になった。

 今年のファーストシーズンサイアーで中央・地方ともに勝利を記録したのは、サトノクラウン、ミッキーロケット、サトノダイヤモンドに続いてデクラレーションオブウォーが4頭目。デクラレーションオブウォーの繋養先である静内種馬場の遊佐繁基場長は「うれしいですね。ロードディフィートの母カディーシャの種付けはとてもスムーズだったと記憶しています。せりでも高く売れていたので期待していました。アービトレーションは生まれた時に当種馬場の職員が何度も牧場へ足を運び経過を観察していた馬なのでよく覚えています。競走馬として無事にデビューできて、こうして初勝利をあげてくれて感慨深いものがありました」と産駒の勝利を喜んだ。

 デクラレーションオブウォーは父がウォーフロント、母がテンポウエスト、母の父がラーイという13歳の鹿毛。現役時代は2013年のヨークインターナショナルS(G1)、クイーンアンS(G1)、愛ダイアモンドS(G3)などアイルランド、アメリカ、イギリス、フランスで13戦7勝の成績を残した。

 2014年よりアイルランドとオーストラリア、2015年よりアメリカで供用開始。海外では仏2000ギニー(G1)などを制覇したオルメド、BCジュヴェナイルターフ(G1)などを制覇したファイアアトウィル、ソードダンサーS(G1)などを制覇したグーフォ、VRCメルボルンC(G1)などを制覇したヴァウアンドディクレアなど数多くの活躍馬を送り出している。本邦初年度産駒の2歳世代の血統登録数は88頭になる。

 6月26日現在のファーストシーズンサイアーランキングは第2位。アーニングインデックスは2.74と高い数値を示している。