赤レンガ記念はフローリンが勝利
ホッカイドウ競馬の古馬による中、長距離路線春の総決算JBC協会協賛マインドユアビスケッツ賞「楽天競馬杯第59回赤レンガ記念」が6月23日、門別競馬場で行われ、日高町のダーレー・ジャパン・ファーム(有)生産で、南関東からの転入初戦4番人気フローリンが3番手追走から最後の直線で力強く脚を伸ばして2分11秒6(曇り、やや重)で優勝。ホッカイドウ競馬に新風を吹き込んだ。
2019年道営記念優勝馬リンノレジェンド、ダートグレード「佐賀記念(Jpn3)」のタイトルを手土産にホッカイドウ競馬へ殴り込み、道営記念2着、3着とトップレベルの実績を残すルールソヴァール、2021年岩手競馬重賞で2度頂点に立ち、7歳となって満を持して移籍してきたチャイヤプーンらの既成勢力に加えて、2018年の東京ダービー馬ハセノパイロ、そしてJRA2勝クラスからの転入ながらも、よほど門別の水が合うのか好調な競馬を続けているトレイントレインなど多士済々のメンバー構成。それでも勝ったのはJRAで3勝クラス特別を勝ち、南関東を経て北の大地に活躍の場を求めて転入してきたフローリンだった。
父ステイゴールド、母オータムメロディー。姉にはエリザベス女王杯(G1)3着ピクシープリンセス、兄にはJRAでオープン特別優勝ジョヴァンニがいる血統。おじに1990年代の欧州マイル戦線で活躍したチャーンウッドフォレストや英国レーシングポストトロフィ(G1)優勝メダーリーがいるファミリー。祖母は名牝と誉れ高いフォールアスペンで本邦輸入種牡馬ティンバーカントリーや名種牡馬ドバイミレニアムなどがいる名門牝系だ。
今回は逃げるリンノレジェンドと、それを追いかける形になったトレイントレインをマークするような位置でレースを進め、最後の直線で先頭に立つと、粘るトレイントレイン、内からしぶとく脚を伸ばしたバンカブルスター、追い込む1番人気ルールソヴァールによる激しい2着争いを尻目に余裕のゴール。JRA当時から軽い馬場で好走していた元オープン馬が、天も味方に転入初戦を重賞制覇で飾った。
騎乗した落合玄太騎手は「門別競馬場でのレースは初めてでしたが、普段の追いきりなどから能力があるのはわかっていました。今回は、初モノ尽くしの中で道中の手応えの割には追い出してから反応が鈍い面もありましたが、しっかりした走りを見せてくれたと思う。距離ももう少し短くても対応してくれると思いますので楽しみです」と白い歯を見せていた。