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北海道スプリントC(Jpn3)はダンシングプリンスが勝利

  • 2022年06月08日
  • 追い詰められはしたが、最後まで衰えない闘争心で先頭を守り抜いた
    追い詰められはしたが、最後まで衰えない闘争心で先頭を守り抜いた
  • プレッシャーに打ち勝った落合騎手とダンシングプリンス
    プレッシャーに打ち勝った落合騎手とダンシングプリンス
  • 国内外の重賞3連勝を決めたダンシングプリンス
    国内外の重賞3連勝を決めたダンシングプリンス
  • 吉田千津オーナー(左)と社台ファーム代表の吉田照哉氏(右)。落合騎手を囲んで
    吉田千津オーナー(左)と社台ファーム代表の吉田照哉氏(右)。落合騎手を囲んで
  • 笑顔で口取りに収まった関係者。いつもの風景が戻ってきた
    笑顔で口取りに収まった関係者。いつもの風景が戻ってきた

 初夏のダート短距離王決定戦「北海道スプリントカップ(Jpn3)」。第4回北海道スプリントC(G3)では当時12歳のオースミダイナーが優勝。これは、今もダートグレード史に残る最高齢優勝記録でもある。その後、JRA所属馬が19連勝。それにストップをかけたのが地元10歳馬のメイショウアイアンだった。

 今年もスピード自慢の10頭が顔を揃えて、激戦が予想される中で勝利したのは千歳市の社台ファーム生産ダンシングプリンスだった。スタートは地元の快速牝馬アザワクが1番速かったが、インコースからハナを主張。その後は引っ張り切れないような手応えで4角を回ると追いすがるリュウノユキナ、ヒロシゲゴールドを突き放し、追い込んだスマートダンディーの追撃を封じ込めて中央、海外、そして門別競馬と重賞3連勝。砂質やコースを問わないスピードを証明して見せた。同馬は父パドトロワ、母リトルブレッシングという血統の6歳馬。千歳市の社台ファームによる生産馬で、馬主は吉田千津氏。

 育成段階から光るものは見せていたとはいうものの、仕上がりが遅れ、その初戦となるはずだった3歳8月のデビュー戦は馬場入場後に右前肢跛行のために出走取消。結局、3歳未勝利馬にとっては最終節となる8月31日小倉競馬場芝1200m戦が初出走となった。結果は2着。経験馬相手に出遅れて万事休すかと思われたが、最後は外から矢のように伸びて非凡な能力を証明している。諦めきれなかった陣営は除外と背中合わせの1勝クラス平場戦へと挑むも短距離レースはフルゲートで出走が叶わず、芝1600m戦へ。それでも4番人気に支持され、楽に先行したものの0.6秒差11着となった。船橋競馬からの再出発となり、その3戦目で、南関東で期間騎乗限定を行っていた落合玄太騎手とのコンビが実現している。JRA復帰後は破竹の3連勝でオープン入り。さすが重賞初挑戦となったカペラS(G3)は最後に力尽きて3着だったが、2度目の重賞挑戦で初勝利を飾っている。

 そして向かった先はサウジアラビアのリヤドダートスプリント(G3)。楽に先手を取って最後は突き放し、前年のコパノキッキングに続き日本調教馬による2連覇を達成している。

 5月5日に帰国後は、美浦トレセンで調整し、25日に函館競馬場へ移動。このレースに備えていた。レース後、落合騎手は「能力があるのはわかっていたがプレッシャーを感じていた。今日はスタートを上手に出てくれたが、マークが厳しくペースが速かったと思う。最後までがむしゃらに追いました」とレースを振り返り、最後は「最高の気分です」と笑顔でファンの歓声に応えていた。