馬産地ニュース

北海道トレーニングセールが開催される

  • 2022年05月26日
  • 最高価格を記録したDistinguishable2020
    最高価格を記録したDistinguishable2020
  • 高額2位ナイスクオリア2020
    高額2位ナイスクオリア2020
  • 高額3位で牡馬最高値サパス2020
    高額3位で牡馬最高値サパス2020
  • 2ハロン、1ハロンともに最速タイを記録したウインレコード2020
    2ハロン、1ハロンともに最速タイを記録したウインレコード2020
  • 2ハロン最速タイのモアスマイル2020
    2ハロン最速タイのモアスマイル2020
  • 挨拶する古川組合長
    挨拶する古川組合長

 日高軽種馬農業協同組合が主催する「北海道市場2歳トレーニングセール」が5月24日、昨年同様のハイブリッド方式(通常せり+オンラインビッド)を採用し、JRA札幌競馬場で開催された。

 購買登録者数は、オンラインビッドによる69人を含め、597人(前年比37人増)。前日に同競馬場で公開調教を行ったのは137頭だったが、当日になって3頭の欠場が発表され、134頭がせりにかけられた。売却されたのは、そのうち96頭(牡50頭、牝46頭)。売却率は前年比4.7%増の71.6%となり、2017年以来、5年ぶりの7割超となった。

 売却総額は769,340,000円(税込み、以下同)で昨年比118,030,000円増。平均価格も166,850円増の8,013,958円となった。

 最高価格は、米国産馬「Distinguishable2020」の46,200,000円。ブリーダーズCスプリント(G1)優勝馬ランハッピーを父に持つ鹿毛の牝馬で、母はディストーテドヒューマー直仔の米国2勝馬。前日の公開調教では22秒4(11秒7→10秒7)をマーク。最後1ハロン10秒7は最速タイという優秀なものだった。おばにモンマスオークス(G3)優勝のモクシュラがいる血統に加えて、馬体重472キロと発表された均整の取れた好馬体も評価され、激しい争奪戦が繰り広げられたが兵庫県の森中蕃氏によって落札された。

 高額2位は「ナイスクオリア2020」(牝、父ドレフォン、母の父キングカメハメハ)の25,300,000円。今年の皐月賞(G1)を勝ったジオグリフと同じドレフォン×キングカメハメハという組み合わせの血統馬で、公開調教では最高価格馬と同じ22秒4(11秒7→10秒7)。安平町のノーザンファームが落札している。

 高額3位は、牡馬の最高落札価格にもなった「サパス2020」(牡、父タリスマニック、母の父キングマンボ)。ホッカイドウ競馬の三冠競走のひとつ「王冠賞」の優勝馬ジャストフォファンの半弟という血統と、公開調教で示した22秒8(11秒7→11秒1)の走りなどが評価され兵庫県の森中蕃氏によって19,250,000円で落札された。

 セール終了後、古川組合長は「セール序盤が様子見ムードだったので心配しましたが、最終的にはすべての数字で昨年を上回る結果を残したことに主催者としてほっとしています。このような数字を残すことができたのは、597人の方々が購買登録をしたいと思わせる馬を上場いただいた販売申込者の方々のおかげだと思っています。トレーニングセールでこれだけの数字を残せたことで、ピンフッカーの方々も今後の1歳市場に積極的に参加してくれることになると思います。これからも、多くの方々に安心して参加してもらえるような市場を開催したい」と笑顔で市場を振り返った。

 なお、オンラインビッドによる落札は14,850,000円を筆頭に8頭。古川組合長は「ハンマーが落ちそうになったときにオンラインから入札があると嬉しいものですね」と周囲を笑わせた。