北斗盃はシルトプレが勝利
4月28日、門別競馬場では3歳クラシック一冠目となる道新スポーツ杯第46回北斗盃(H2)【フィエールマン賞】がダート内回り1600mの舞台で行われた。
カツベンケイが出走を取り消し、今年は8頭の3歳馬が三冠をかけて最初のステージに挑んだ。
1.5倍という断然の1番人気に推されたのは、鎌倉記念を制し、全日本2歳優駿(Jpn1)5着の実績を持つシルトプレ。オフシーズン中は南関東で力を付け、このレースに照準を合わせ戻って来た。2番人気は金沢の兼六園ジュニアCで重賞ウイナーの仲間入りを果たしたエンリルで3.8倍。こちらは北海道に残り、開幕週の条件戦を一度叩いて英気は十分だ。3番人気は前走ひだかオープンを勝利し、権利を勝ち取ったマナホクで7.3倍と、それぞれの路線から一冠目を目指し集結した。
レースは、スタンド前からスタート。横一線からハナを主張したのは、ここまで逃げて勝利を勝ち取って来たエンリル。それに並びかけるようにスダワールド、3番手内にシルトプレ、外プリサイスニードル、ハウファアイルゴー、フィティアンガらが続いた。3コーナー手前、まだ余裕のありそうなエンリルに対し各馬一斉に追い上げを開始。直線を向いても脚色衰えず、逃げ込みを図るエンリルに、マナホクとシルトプレが捕らえにかかる。エンジンの掛かったシルトプレは一気に加速、エンリルを交わすとそのまま一冠目のゴールを駆け抜けた。勝ち時計は1分44秒1(晴・良)1馬身差の2着にエンリル、更に1馬身差の3着にマナホクと、人気通りの結果となった。
石川倭騎手は北斗盃初勝利。昨年、同レースを勝ち三冠馬に輝いたラッキードリームの主戦騎手でありながら、この北斗盃だけは落馬負傷のため乗り替わっていた。「イメージ通りの位置取りに持ち込めましたが、向こう正面で促した時全く反応がなく、ダメかも知れない、と感じました。直線に入り、外から来た馬と併せるような形になってようやく本来の走りを取り戻してくれた感じですね。今日は能力を出し切れていないので、次走に向けて修正しながら、ダービーでは良い走りをできるように頑張ります」と振り返った。
管理する米川昇調教師も同レース初勝利。「向こう正面ではヒヤヒヤしましたが、良く勝ってくれました。4月10日に厩舎に来ましたが、飼い葉食いが細く、疲れを残しているような印象でまだ力を出し切っていません。ダービーまでには上手く調整して、三冠を目指したいですね」と安堵の表情を浮かべた。
シルトプレは父ワールドエース、母エアディケム、母の父フレンチデピュティという血統の3歳牡馬。生産は1993年の日本ダービー馬、ウイニングチケットなどを生産した新ひだか町静内の藤原牧場で、ホッカイドウ競馬の重賞勝利は初。シルトプレは鎌倉記念に続き重賞2勝目、若武者石川倭騎手を背に三冠ロードを突き進む。