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コスモバルク記念はテーオーフォースが2馬身差をつけ重賞初制覇

  • 2022年04月25日
  • 後続を突き放し独走体制のテーオーフォース
    後続を突き放し独走体制のテーオーフォース
  • 2馬身の差を付け重賞初制覇を飾った
    2馬身の差を付け重賞初制覇を飾った
  • 服部騎手も渾身の騎乗にガッツポーズ
    服部騎手も渾身の騎乗にガッツポーズ
  • 厩舎一丸となって手に入れた栄冠
    厩舎一丸となって手に入れた栄冠
  • 表彰式の様子
    表彰式の様子

 開幕2週目を迎えた4月21日、門別競馬場では今季最初の重賞競走となるサッポロビール杯第12回コスモバルク記念(H2)【ゴールドシップ賞】がダート1800mで行われた。

 2.9倍の1番人気は、昨秋ホッカイドウ競馬に移籍して来た岩手競馬の雄、チャイヤプーン。移籍後条件戦で二連勝を飾ると東海菊花賞に遠征し2着、このレースが道営初重賞挑戦だった。2番人気は南関東から移籍したワークアンドラブで4.0倍。3歳時は道営に所属していたこともあり、古巣に戻ってきた形だ。3番人気は2019年の道営記念馬、昨年も長距離重賞2勝のリンノレジェンドで4.3倍と、移籍組VS地元組の様相を見せた。

 日中は暖かな1日だったが、日が落ちると一気に冷たい風が吹く門別競馬場。レースは多くのファンに見守られながら、スタンド前からスタートした。押して出ていったのは先手を主張したいワークアンドラブ。そしてこちらもハナを奪って自分のペースに持ち込みたいリンノレジェンドが猛追し、2頭が激しい先行争いを繰り広げる。4〜5馬身後方の3番手にバンカブルスター、ヤマノファイト、テーオーフォース、チャイヤプーンらが続き、1コーナーを周った。2コーナーを過ぎた辺りでリンノレジェンドが単独先頭に立ち、2番手に落ち着いたワークアンドラブとの差をグングン広げていく。3コーナーで馬群は一気に縮まり、リンノレジェンド、ワークアンドラブは失速、代わりに先頭に立ったのは外から追い上げてきたテーオーフォースだった。直線に入ると外から伸びてくるチャイヤプーンが競りかけるもテーオーフォースの脚色は衰えず、後続を振り切って初重賞制覇のゴールに飛び込んだ。勝ち時計は1分58秒1(晴・良)2馬身差の2着は好位追走から追い込んで来た6番人気のバンカブルスター、2馬身1/2差の3着には7番人気のクラキングスが入線し、波乱を演出した。

 昨年の同レース2着馬が念願の戴冠を果たした。鞍上の服部茂史騎手は「前に2頭行くのはわかっていたし、自分のペースを守ることだけ考えて乗っていました。道中気分良く走ってくれ、手応えよく4コーナーまで来れたのでなんとかなるんじゃないかな、と。スパッと切れる脚を使えるタイプじゃないので早目に先頭に出して、最後まで頑張ってくれました」と振り返った。

 管理する田中淳司調教師は「ジョッキーが上手く乗ってくれて、コース取りも良かったし、何より早目に動いたのが勝因ですかね。昨年はJRAから移籍してきて肉体的な疲れもありましたが、今年はひと冬休ませてリフレッシュした良い状態で臨めました」。次走については「考え中」としたものの、「地元古馬重賞路線を盛り上げて行ければ」と話した。

 テーオーフォースは、父シンボリクリスエス、母キャンディーストア、その父スペシャルウィークという血統の7歳牡馬で、生産はキタサンブラックやコパノリッキー、2021年のチャンピオンズカップ(G1)優勝馬テーオーケインズなどを送り出した日高町のヤナガワ牧場。JRAデビューからダ1700〜1800mで4勝を挙げオープン入りしたが、その後勝ち星に恵まれず、昨年の開幕からホッカイドウ競馬に移籍していた。