JRA日高育成牧場で育成馬展示会
4月12日、JRA日本中央競馬会は、浦河町西舎にある日高育成牧場(石丸睦樹場長)において、JRA日高育成牧場育成馬展示会を開催した。
展示会にはJRAの本川一善副理事長、木村一人常務理事、菊田淳馬事担当理事、松田芳和馬事部生産育成対策室長やJBBA日本軽種馬協会の木村貢顧問、HBA日高軽種馬農業協同組合の古川雅且代表理事組合長、IBA胆振軽種馬農業協同組合の田中芳郎代表理事組合長をはじめ、馬主、調教師、牧場関係者など110名が出席。開会式で石丸場長は「本日は、日高育成牧場の展示会にお越しいただきましてまことにありがとうございます。本日は大変な好天に恵まれまして、これもみなさまのおかげと感謝申し上げます。また、新型コロナウイルス感染対策にご協力をいただきありがとうございます。
日高育成牧場では、生産したJRAホームブレッドや、1歳市場で購買した馬を用いて、様々な育成研究を行っています。昨年は、この場でトレッドミルを活用した調教方法についてご紹介いたしました。トレッドミルは、休養からの立ち上げや、騎乗せずに心肺に強い負荷をかけるうえで、効果的な手段であることがわかりました。一方、トレッドミルでの強調教は、その頻度によっては、馬への精神面への負担も少なからずあることも明らかになりました。そこで、本年の育成馬につきましては、ベーススピードを上げた調教は、トレッドミルではなく、騎乗調教で実施する方向にシフトしまして、トレッドミルを育成馬の定期的な体力測定として有効に活用してまいりました。
その結果、本年も例年並みに心肺機能を強化することができたと考えています。また、本年は、放牧地などの不整地での調教などを行いまして、走行バランスの改善を図ることや隊列を整えた集団調教なども、あらためて実施してまいりました。このような取組みが、競馬で『馬の能力を発揮する』ことにつながるのではと期待するところでございます。なお、本年の研究成果につきましては、競走成績を検証したうえで、またみなさまに、あらためて機会を設けましてお伝えしていきたいと考えております。本日は、JRA日高育成牧場の職員が丹精込めて育てあげた成果を皆さまにご披露いたしたいと考えております。また、軽種馬育成調教センターで1年間、研修に励んできた研修生18名も、展示や騎乗に参加いたしますので、彼らの成長にもご注目いただきたいとおもいます。本日はどうぞよろしくお願いいたします」とあいさつした。
展示会は比較展示と騎乗供覧の2部制で開催。比較展示は牡10頭、牝11頭、牡9頭、牝11頭、牡9頭、牝9頭と6班に分けて59頭を展示した。
騎乗供覧は1600mトラック馬場に会場を移して行われ、ラスト2ハロンを計測。牡11頭、牝14頭、牡10頭、牝11頭と4班に分けて46頭が軽快なフットワークを披露した。騎乗供覧には11名の研修生も騎乗し、1年の研修で上達した騎乗技術で育成馬を巧みに操った。
ラスト2ハロンの最速は、上場番号29番のラビアンローズ2020で23.4秒(12.0秒~11.4秒)。父はJBBA静内種馬場で供用されている本邦2歳新種牡馬デクラレーションオブウォー、母の父はスペシャルウィークという血統。昨年の北海道サマーセールにおいて、11,000,000円(税込)で購買した鹿毛の牝馬になる。
日高育成牧場のJRA育成馬は4月18日に出発。翌19日に中山競馬場に入厩する。
2022JRAブリーズアップセールは、4月26日に中山競馬場で開催。売却方式はせり方式で、昨年同様、オンラインビッドシステムによる購買参加が可能になる。購買登録は4月18日正午まで。来場者は購買登録馬主に同伴者1名まで入場可能となる。騎乗供覧は4月25日の13時から。4月26日は受付開始が9時、実馬展示開始が9時30分、せり開始が12時となっている。セール当日の26日はトレセン関係者の入場はできない。