JRAが北海道静内農業高等学校を視察
4月11日、JRA日本中央競馬会は、新ひだか町静内田原にある北海道静内農業高等学校を視察した。
視察に訪れたのはJRAの本川一善副理事長、菊田淳馬事担当理事、松田芳和馬事部生産育成対策室長ら6人。文部科学省に指定された「マイスター・ハイスクール事業」の様子を視察する目的で来校した。
視察した授業は生産科学か3年生13名が出席したマイスター・ハイスクール事業の授業でテーマは「競走馬の血統について」。同校のマイスター・ハイスクール産業実務家教員である中西信吾獣医師が授業者となり、同校で繋養している2頭の繁殖牝馬の特徴を理解したうえで、今年の配合種牡馬を選定するという内容で、生徒は自分たちが考える理想の血統について議論した。
繁殖牝馬はマドリガルスコアとナリタトップスターの2頭。生徒は4つのグループに分かれ、「どのような馬を生産したいのか」、「芝馬か、ダート馬か」、「適性距離」、「目標のレース」、「中央、地方、どちらの競馬場で走らせるか」、「販売希望価格」、「血統」、「種付料」、「種牡馬の年齢」、「種牡馬の血統、体型、性格、競走成績、産駒成績、距離適性、馬場適性」、「繁殖牝馬の年齢、受胎成績、産駒成績、受胎期間、分娩月日」、「過去の産駒の体形、性格、発育状況」など、さまざまなファクターを念頭に、種牡馬のウォーキング動画、種牡馬カタログ、架空血統表などを駆使して想いを巡らせた。
授業を視察した後、JRA一行は繁殖牝馬らが暮らす厩舎へ移動。4月8日にナリタトップスターが生んだばかりの当歳(牡、父ノーブルミッション)や、8月の北海道サマーセールへの上場を予定している1歳馬の奏叶(かなと、牡、父アニマルキングダム、母マドリガルスコア)などを見学した。
本川副理事長は「このように馬に興味を持った若い方を育成していただいて、本当にありがたいとおもっております。引き続き、良い人材と、良い馬を競馬サークルに供給していただきたいですね」と話した。
JRAは公益社団法人日本軽種馬協会や日高軽種馬農業協同組合などとともに北海道静内農業高等学校のマイスター・ハイスクール事業と連携。日高育成牧場の石丸睦樹場長をはじめとしたJRA職員を講師として派遣し、軽種馬産業全般に渡る専門的な知識や技術をレクチャーしている。