馬産地ニュース

日本軽種馬協会静内種馬場で2022年(第44期)生産育成技術者研修開講式

  • 2022年04月05日
  • 日本軽種馬協会静内種馬場研修所で行われた第44期生産育成技術者研修開講式
    日本軽種馬協会静内種馬場研修所で行われた第44期生産育成技術者研修開講式
  • 門出を祝うため本部から出席した上野儀治副会長常務理事
    門出を祝うため本部から出席した上野儀治副会長常務理事
  • 開講式後は昼食会で親睦を深めた
    開講式後は昼食会で親睦を深めた

 4月4日、公益社団法人日本軽種馬協会(河野洋平会長理事)は、新ひだか町静内田原にある静内種馬場研修所において、2022年度(第44期)生産育成技術者研修開講式を執り行った。

 第44期生は、宮城県、栃木県、東京都、長野県、三重県、京都府、鳥取県、高知県、福岡県、熊本県、沖縄県出身の、18歳から24歳の15人(男性9人、女性6人)。「競走馬の育成に携わりたい」、「競走馬の生産に携わりたい」、「BOKUJOBでこの生産育成研修課程を知って受けたいとおもった」、「BOKUJOBの体験会に参加して馬について学びたいとおもった」、「JRAの厩務員になりたい」、「就職先の牧場からJBBA研修を強く勧められた」などおもいおもいの受講動機や目的をもって研修の門を叩いた。

 開講式は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、地元行政や軽種馬関係の来賓、研修生の家族などの出席を取りやめ、第44期生とJBBA職員のみが出席。緊張した面持ちの第44期生は、ひとりひとり紹介された後、遊佐繁基場長から「2022年度生産育成技術者研修生15名の入講を許可いたします」と入構を許可された。

 本部から門出を祝うために出席した上野儀治副会長常務理事は「まずもって、本日、入所された15名の研修生のみなさんには、心からお祝い申し上げます。例年であれば、本席には、地元行政や軽種馬生産関係者のご来賓、そして、みなさまのご家族のご臨席をたまわり、門出を祝っていただくところでございますが、新型コロナウイルス感染症の蔓延に終息が見えないなか、感染拡大防止のため、本日は、関係各位のご出席をご遠慮いただき挙行することとなりました。みなさんには大変申し訳なく思っておりますが、ご理解くださいますようお願い申し上げます。
 さて、昨年の競馬開催を振り返ってみますと、中央競馬、地方競馬ともに、コロナウイルス感染症拡大防止に最善を尽くし、無観客や入場制限等の手段を取りながら着実に開催され、その売り上げも好調が続いています。生産界におきましても、せり市場での取引が活況を呈し、昨年の年間売却頭数、総売上は過去最高を記録、生産頭数、種付牝馬頭数ともに数字を伸ばし、緩やかでございますけども順調に前進を続けております。
 このように、一時期苦しい状況に置かれていた競馬産業も、ここ数年再び盛り上がりを見せておりますが、いつの時代においても、競馬を盛り立てていくためには、多くのファンを引き付けるような強い競走馬を生産、育成し、競走の魅力を向上させることが最重要課題のひとつとなっており、そのためには、生産育成の分野における専門的な訓練を受けられた、みなさんのような技術者の力が不可欠でございます。
 本協会では、生産育成界の期待に応えうる技術者を養成するため、平成2年秋から本研修を開講しております。今年ですでに30年の歴史を有し、これまでに478人にのぼる修了生を、軽種馬生産界に送り出してまいりました。本研修事業に対する競馬サークルの期待は大きく、歴代の修了生もこの期待に応えるべく、それぞれの職場でおおいに活躍されてございます。
 みなさんが本日から受ける研修の内容は多岐にわたっており、騎乗技術、馬の飼養管理や繁殖に関する幅広い知識等に加え、およそ牧場で必要となる作業全般について体得していただくこととなります。
 研修中はどうか健康に留意され、ホースマンとしての研鑚に努め、1年後には1人も欠けることなく、晴れやかな笑顔で修了式を迎えられることを切に願ってやみません。そして、みなさまには、これからの生産界に、新たな活力をもたらす原動力に、ぜひなっていただきたいと思っております」と河野洋平会長理事の式辞を代読し「皆さん、これから1年間、頑張って研修を受けることになりますけれども、たいへんだとはおもいますが、楽しむ気持ちを忘れずに、研修を受けていただきたいとおもいます。わたくしも獣医として長い間こと、馬の診療に関わってきたものでございますけれども、これを知る者は、これを好む者にしかず。これを好む者はこれを楽しむ者にしかず。という言葉がございまして、やはり、物事を体得するために一番大事なことは、楽しみながら研修を受けることですので、みなさん、楽しむ心の余裕を忘れずに、1年間頑張って、来年ここでお会いできたらとおもいます」と激励した。

 続いて第44期生を代表して宮城県出身の高橋佑維さんが研修生宣誓。「わたしたち2022年度第44期生産育成技術者研修生は、軽種馬生産界の期待に応えるよう、地域に根差した軽種馬産業の担い手として一流のホースマンを目指し、常に向上心と探求心を持ち、知識、技術を高めることをここに誓います」と力強く宣誓した。

 第44期生の研修プログラムは、馬の性格と態度、馬の取扱い・馬への接近、愛撫と懲戒、馬の手入れ、曳き馬と馬の保持といった基礎知識、馬の種類、馬体の名称、馬の個体鑑別、馬の成長と年齢、相馬、馬と人の歴史といった馬学、乗馬・下馬、馬上体操といった基本馬術から競走馬術、調教馬術などの講義、乗馬・下馬、馬上体操、常歩、軽速歩といった基本馬術から競走馬術、調教馬術、部班演技、走路騎乗などの騎乗訓練、堆肥造成、厩舎清掃、牧柵点検、修理、放牧地、草地管理、除雪などの作業、手入れ管理実習、JRA育成馬展示会見学、体力測定、せり見学、競馬場見学、民間牧場見学などの実習見学など。23頭の研修用乗馬と研修課6人を含め10人のスタッフがサポートしていく。