北海道日高装蹄師会が装蹄競技大会
3月28日、道内の認定装蹄師らで組織される北海道日高装蹄師会(門別尚省会長、会員78名)は、浦河町西舎にあるJRA日本中央競馬会日高育成総合施設軽種馬装蹄所において、第28回装蹄競技大会を開催した。
この装蹄競技大会は、会員の装削蹄技術の向上と連帯強化を目的としたもの。北海道装蹄師会の主催で、公益社団法人日本装削蹄協会、北海道庁、JRA日高育成牧場、浦河町、公益財団法人軽種馬育成調教センター、日高軽種馬農業協同組合、日本中央競馬装蹄師会、滋賀県装蹄師会、南関東競走馬装蹄師会、岩手競馬装蹄師会、クレイン装蹄師会、北海道牛削蹄師会が後援、(株)タイワ、(株)ファイ健ホース、(有)今井製作所、(有)エフ・エム・オーが協賛した。10月に栃木県宇都宮市で開催を予定している全国装蹄競技大会の予選を兼ねており、上位5名に出場権が与えられる。
今年の大会は昨年同様、新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から、来賓の出席並びに表彰式等の中止など規模を縮小。出席者はマスク着用、手指消毒、競技終了ごとの道具や備品の消毒を徹底するなどの感染対策が取られた。
競技には2人の初出場を含め21歳から45歳までの8人の会員が参加。単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ)、装蹄判断、装蹄の3種目で行われた。
単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ)は、3分6鉄桿を用い、後肢左右を作製(所要時間25分)し200点満点、装蹄判断は判断用馬1頭につき与えられた用紙に記入提出(所要時間25分)し100点満点、装蹄は指定された実馬の前肢1蹄に合わせた07タイプ蹄鉄1個を単独で造鉄し、その蹄鉄を用いた装蹄と本会会長が指定する課題蹄鉄1個を造鉄(規定時間60分以内)し装蹄用蹄鉄、削蹄、仕上げが各90点、課題蹄鉄100点の合計370点満点で審査。審査は宮下裕行副会長を競技審査委員長に、中館敬貴理事、森野健太副会長、竹田和正JRA日高育成牧場専門役の3人が競技審査委員となり4人が担当した。
審査の結果、総合優勝は浦河町の大東正史氏。第17、18、19、20、23、24、25回、27回に続き通算9度目の栄冠に輝いた。
閉会式では竹田審査委員が装蹄判断について、中館審査委員が造鉄と装蹄について講評。さらに細かな答案の書き方や細部にわたる造鉄の修正点などをアドバイスし、全国大会へ向けてエールを送った。
門別会長は「選手のみなさま、おつかれさまでした。今回の上位5名は全国大会へ推薦されることになりますが、昨年は全国大会が中止となり、悔しい想いをされた方もいらっしゃるとおもいます。その2年分の想いを全国大会に向けてぶつけてもらえたらとおもいます。また、会員のみなさまにおかれましては、早朝よりお忙しいなか、お集まりいただきまして、まことにありがとうございます。コロナ禍の開催にもかかわらず、ご協力いただきましたJRA日高育成牧場様、軽種馬育成調教センター様をはじめ、ご後援、ご協賛いただきました各位に、心から深くお礼申し上げます」とあいさつ。最後に今年2月まで、4期12年に渡り北海道日高装蹄師会の会長として尽力した武田英二顧問に対し、北海道装蹄師会を代表して門別会長から花束が贈られた。
優勝した大東氏は「若い選手たちが年々レベルアップしてきて、北海道日高装蹄師会のレベルもすごく上がってきているなかで最年長で参加した大会でした。自分としては楽しみながら、そして、若い選手たちの見本になればというおもいで参加したのですが優勝できてよかったです。全国大会制覇へ向けて、また練習していきます」と話した。
結果は下記の通り(敬称略)。
総合優勝:大東正史(浦河町)461.8点
〃2位:岡本昴昌(浦河町)454.5点
〃3位:茂貴紀(浦河町)393.9点
〃4位:小野将知(浦河町)389.6点
〃5位:元井悠貴(千歳市)370.0点
部門賞
単独造鉄(新標準蹄鉄07タイプ):大東正史(浦河町)136.8点
装蹄判断:元井悠貴(千歳市)75点
装蹄:大東正史(浦河町)265点