ノーブルミッションの本邦初産駒が誕生
公益社団法人日本軽種馬協会(河野洋平会長理事、以下JBBA)が昨年、新ひだか町静内田原にあるJBBA静内種馬場に導入したノーブルミッションの日本での初産駒が誕生した。
本邦初産駒は1月22日に新冠町朝日にある秋田牧場で生まれた栗毛の牝馬。母はアドマイヤラックという13歳。2003年の全日本2歳優駿(G1)、北海道2歳優駿(G3)などを制覇したアドマイヤホープ、2006年の日経新春杯(G2)、2008年、2009年の中山金杯(G3)などを制覇したアドマイヤフジ、2011年の福島記念(G3)などを制覇したアドマイヤコスモスのめいで、2015年の日経賞(G2)、日経新春杯(G2)などを制覇したアドマイヤデウスのいとこになる。
秋田牧場は「種付けした時は大雪で大変だったことが思い出されます。無事に元気な子どもが生まれてよかった。毛色こそ違いますが、顔や足の特徴は父の影響を受けてる気がします。全身がゴムまりのように弾力がありますね。このまま順調に成長して立派な競走馬になってほしいです」と話した。
写真や映像で実馬を確認したJBBA静内種馬場の遊佐繁基場長は「ノーブルミッションもそうなのですが、後肢のしっかりした馬ですね。胸も深く心肺能力の高さも伺えます。また頭も小さく品がありますね」と感想を語った。
明けて13歳になったノーブルミッションは鹿毛の英国産馬。2021年の英愛リーディングサイアーになったフランケルの全弟で、父は2008年、2010年から2020年の英愛リーディングサイアーであるガリレオ、母はカインド、母の父はデインヒルという血統になる。
ノーブルミッションの競走成績は英・愛・仏・独にて21戦9勝2着6回。5歳時には英チャンピオンS(G1)、サンクルー大賞(G1)、タタソールズゴールドC(G1)など重賞5勝をあげ、2014年欧州古馬チャンピオンに選出されている。
種牡馬としては2015年に米国で種牡馬入り。初年度産駒から2019年のトラヴァーズS(G1)などを制覇したコードオブオナー、重賞3勝のスパニッシュミッションを筆頭に、ジャウスター、バッファローリヴァー、ギャムズミッションなどが重賞勝ちを収め、産駒は世界各地で活躍している。
本邦初年度の昨年は128頭の種付頭数を記録。6月までに続々と産駒が生まれる予定となっている。
2022年度の種付条件は後払受胎後支払(受胎確認後10月31日期限払い、流死産時又は産駒死亡時種付料返還特約付き)150万円。特定種牡馬に種付けしたことがある所有者への種付料割引制度と同一種牡馬への複数頭種付に対する種付権利無償贈呈制度の対象になっている。