新ひだか町で冬季繁殖馬セール
1月26日、新ひだか町静内本町にある(株)ジェイエス(服部健太郎代表取締役)は、新ひだか町静内神森にある日本軽種馬協会北海道市場において、冬季繁殖馬セールを開催した。
今年の上場頭数は、受胎馬8頭、空胎馬5頭、未供用馬9頭の合計22頭。最初に受胎馬、次に空胎馬、最後に未供用馬とカテゴリーに分けてせりにかけられた。
せり開始にあたり、鑑定人の前谷雅俊氏は「本日はご来場いただき、まことにありがとうございます。また、コロナウイルス感染防止対策にもご協力いただきありがとうございます。本年もさっそくザダルが京都金杯(G3)を、マテンロウオリオンがシンザン記念(G3)を勝利し、取引馬の産駒が好スタートを切っております。本日は22頭と上場頭数は少ないですが、今セールにも未来の名牝がいることを確信しておりますので、皆さまどうか活発なせり合いをお願いいたします」とあいさつした。
結果は17頭が売却され、売却総額は123,222,000円(税込、以下同)、売却率は77.3%、平均価格は7,248,352円。昨年の冬季セールと比較すると、売却総額は12,892,000円増、売却率は15.5ポイント増、平均価格は199,543円増と、すべてアップした。
最高価格は2019年のフィリーズレビュー(G2)制覇など、JRA 2勝3着3回の成績を残した未供用馬のノーワン。12,000,000円からスタートすると、複数のバイヤーから声がかかり、最後はポリッシュホースメイトが72,600,000円で落札した。ノーワンは父がハーツクライ、母がプレイガール、母の父がカーリアンという牝の6歳で、販売者は浦河町向別にあるハナズリトルファーム。72,600,000円という価格は、繁殖馬セール上場の未供用馬としては過去最高額になるという。
高額2位はシニスターミニスターを受胎したダンシングロイヤル。父がサクラバクシンオー、母がデビルインマインド、母の父がダンスインザダークという牝14歳の鹿毛は、村上愛氏が10,450,000円落札した。
高額3位はモズアスコットを受胎したシンデレラ。父がハーツクライ、母がイソノスワロー、母の父がデヒアという牝7歳の鹿毛は、9,130,000円で杵臼牧場が落札した。
セール終了後、(株)ジェイエスの大西恵介氏は「これまで私たちの繁殖馬セールに、現役のJRA重賞勝ち馬が競走上がりの状態で上場されることがなかったので、そういった意味では非常に画期的なことでした。申し込みをいただいた時には、私たちもひじょうに興奮したのを覚えています。少しずつではありますが、私たちの繁殖馬セールというのが、そういった評価されるべき馬が、市場に出てきて評価されて必要とされるところに買われていくという流れが根付いてきているのかなあとおもいました。例年、冬季セールの上場馬確保というのは課題になっています。特に今年は上場頭数が少なかったのですが、中身は非常に濃いものだったので開催に踏み切りました。
今回、上場を申し込みしていただいた販売者のみなさまにお礼を申し上げるとともに、こうしてお集まりいただき活発なせり合いをしていただいた購買者の方にも感謝申し上げる次第です。今回の数字についても私たちの予想を上回る結果でした。それだけ繁殖に対するマーケットの需要、熱というものを感じました。これからもよりよい市場をみなさまにご提供していくように活動していきたいとおもいます」と話した。