1月14日午前8時頃、日高町富川東にあるブリーダーズ･スタリオン･ステーションに、本年から種牡馬として供用を開始するダノンスマッシュが、元気な姿でスタッドインした。

 明けて7歳になったダノンスマッシュは、父がロードカナロア、母がスピニングワイルドキャット、母の父がハードスパンという牡の鹿毛。母の半兄は2000年のBCマイル(G1)、サンラファエルS(G2)、オークトリーBCマイル(G2)などを制覇したウォーチャント、祖母は1993年のBCディスタフ(G1)、ハリウッドオークス(G1)、ゲイムリーH(G1)などを制覇したハリウッドワイルドキャットという血統で、新ひだか町三石川上にあるケイアイファームの生産馬になる。

 ダノンスマッシュは(株)ダノックスの所有馬、栗東の安田隆行厩舎の管理馬として現役生活を送り、競走成績は26戦11勝2着3回3着1回。国内での総賞金は584,353,000円になる。

 父のロードカナロア同様、芝短距離路線を歩み、2018年の京阪杯(G3)で重賞初制覇。2019年のシルクロードS(G3)で重賞2勝目をあげた。その後も2019年のキーンランドC(G3)、2020年のオーシャンS(G3)、京王杯スプリングC(G2)、セントウルS(G2)に優勝。暮れの香港スプリント(G1)でG1初制覇を飾った。昨年は高松宮記念(G1)を制覇。2つのG1で父仔制覇を成し遂げた。

 事務局(株)サラブレッド･ブリーダーズ･クラブは｢去年の暮れに縁があって、当スタリオンで繋養することになり、シンジケートのほうも即日満口になり、余勢220万円のほうも、募集して間もなく一時クローズしました。こちらのほうはシーズンの状況を見ながら対処していきたいとおもっています。高松宮記念(G1)と香港スプリント(G1)という2つのG1を制した名馬ですし、良い馬体ですし、反応も良さそうな感じがしました。ロードカナロアの後継として持ち前のスピードを生かしてほしいですね。サンデーサイレンス系の繁殖牝馬も全く問題ないですし、配合次第では距離が持つ馬も出るとおもいます。期待しています｣と話した。

 愛馬の種牡馬入りに立ち会ったケイアイファームの加藤健獣医師は｢この馬はロードカナロアを種牡馬として成功させようとアメリカのせりで買って導入したスピニングワイルドキャットという繁殖牝馬から生まれた馬です。そういう経緯があって生まれる前から期待は大きかったのですが、おもったとおり良い馬体で生まれてきました。そういう想いで従業員一同取り組んできたので、その牧場の目標通りに活躍してくれて、こうして種牡馬入りできたことはとても感慨深いものがあります。配合によっては芝でもダートでも走るでしょうし、距離も持つとおもいます。今度はダノンスマッシュの仔で大きなレースを勝ちたいですね｣と目尻を下げた。