ウメノファイバーの墓碑が完成
12月14日、新冠町緑丘にあるハクレイファームにおいて、今年9月12日に25歳で死んだウメノファイバーの墓碑が完成し供養が行われた。
当日はハクレイファームの片山晃オーナーやスタッフ、ウメノファイバーを生産した斉藤安行氏などの関係者が参列。新ひだか町静内本町にある静澄山龍徳寺の仏事に従い冥福を祈った。
ウメノファイバーは父がサクラユタカオー、母がウメノローザ、母の父がノーザンディクテイターという血統の鹿毛。現役時代は梅崎敏則氏の所有馬、美浦の相沢郁厩舎の管理馬として1998年に函館でデビュー。折り返しとなった2戦目の新馬戦で初勝利を飾った。5戦目となった京王杯3歳S(G2)で、新潟3歳S(G3)勝ち馬ロサード、函館3歳S(G3)勝ち馬リザーブユアハートらを抑えて重賞初制覇。1999年のクイーンC(G3)ではレッドチリペッパー、ゴールドティアラらを一蹴し、2つ目の重賞制覇を果たした。樫の女王を決めるオークス(G1)は、トゥザヴィクトリー、プリモディーネ、スティンガー、フサイチエアデールなどを大外から一気に飲みこみ鼻差で優勝。通算16戦4勝の成績を収めた。
現役引退後に生まれ故郷で繁殖入りしてからは13頭の産駒を出産。初仔のレディーダービーからは、2014年のAJCC(G2)、2013年のオールカマー(G2)などを制覇したヴェルデグリーン、5番仔のアンフィルージュからは、2018年の皐月賞(G1)2着のサンリヴァル、2020年の福島記念(G3)2着のヴァンケドミンゴが生まれている。2019年の出産を最後に繁殖を引退し、斉藤氏の牧場の地で創業したハクレイファームにて功労馬として余生を送っていた。
斉藤氏は「こんなに立派な墓碑をたてていただき、もう感謝の言葉以外思い浮かびません。小さな牧場から生まれた馬でG1を勝って、こうして片山社長に牧場を買っていただいて私が元気でいられるのも、ウメノファイバーのおかげです。最期までハクレイファームさんで面倒を見ていただき幸せな馬生だったとおもいます。ウメノファイバーには、ありがとう、と伝えました」と感無量の様子。片山オーナーは「9月にウメノファイバーが亡くなったあと、秋の繁殖馬セールでウメノファイバーの孫が上場されていたので購買しました。その馬でまた、ウメノファイバーの子孫を生産していくので、この血をつなげていけるようチャレンジしていきたいなとおもっています」と功労馬を偲んだ。