道営記念はクインズサターンが26年ぶりに連覇を達成
15開催82日間渡り熱戦を繰り広げた2021年ホッカイドウ競馬の最後を飾るのは第64回道営記念【リオンディーズ賞】。11月4日、抽選入場に当選したファンに見守られながら門別競馬場で行われた。
ファン投票2位のクインズサターン、4位リンノレジェンドなどの上位人気馬が出走し、3歳から9歳までの精鋭15頭が顔を揃えた。
2.1倍の1番人気に推されたのは今夏からホッカイドウ競馬に移籍したサンビュート。初重賞に挑んだ旭岳賞ではクインズサターンにアタマ差後塵を拝したが、勢いのある4歳馬、逆転の余地を考慮して1番人気となった。3.6倍の2番人気は前年の覇者クインズサターン。コスモバルク記念、旭岳賞を制し、万全の体制で連覇に挑む。3番人気は今季赤レンガ記念、瑞穂賞で逃げ切り勝ちを収めたリンノレジェンドと10か月の休み明け3戦目となるルールソヴァールの2頭が7.3倍と、今年のホッカイドウ競馬を盛り上げた役者が集結、道営記念馬の座を賭けて熱い戦いを繰り広げた。
2021年の総決算、今季ラストレースがスタート時刻を迎える。前走道営スプリントを勝利した桑村真明騎手が「次のレース(道営記念)も逃げて勝ちたいです!」と宣言した通り、桑村騎手騎乗のリンノレジェンドがハナを主張、しかし、1番人気のサンビュートが待ったをかけた。サンビュートがハナを切り、2番手に落ち着いたリンノレジェンド、サニークラウド、ネーロルチェンテ、テーオーフォース、リコーワルサーが続き、先頭集団を形成した。クインズサターンは中団先頭、その後ろにルールソヴァールと、縦長の展開になった。3~4コーナーの勝負所でスパートを開始したクインズサターンは、直線、先団をあっさり交わすとあとは一人旅。危なげなく余裕のゴールで道営記念連覇という偉業をやってのけた。勝ち時計は2分05秒3(晴・重)1馬身1/2差の2着は直線追い込んできた唯一の3歳馬オタクインパクト、1馬身差の3着にルールソヴァールという結果で、激戦の幕を閉じた。
ゴールの瞬間、渾身のガッツポーズで喜びを爆発させた落合玄太騎手は「今回は追い切りからしっかり乗ったという手応えがありましたし、返し馬でも自分からハミを噛んでいい雰囲気で、自信を持って臨めました。最近は前半の行きっぷりが悪いレースもあったので、先生と相談してあまり後方にならないように中団くらいの位置取りを狙っていました。思い描いた通りのレースが出来ました」と会心の騎乗だった。
26年ぶりとなる道営記念連覇を成し遂げた安田武広調教師は「普段触っていても調子の良さを肌で感じれるくらい良い状態でした。あとは展開ひとつ、位置取りの問題も無事クリアして、イメージ通りの騎乗をしてくれましたね。3コーナーを過ぎて、自らハミを取って追い上げてきた時は力が入りました。この後はゆっくり休養してもらい、来春から地元重賞を狙っていきたいです」と、史上初となる道営記念三連覇を目指すことを誓った。
クインズサターンは、父パイロ、母ケイアイベローナ、その父クロフネという血統の8歳牡馬で、生産は新ひだか町の佐竹学さん。今季は対象重賞3勝をあげ、『カウントアップチャレンジ2021』【カウントアップM(ミドル・マイル)】で3勝ボーナスを獲得している。