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JBC2歳優駿(Jpn3)はアイスジャイアントが2戦2勝で重賞初制覇

  • 2021年11月10日
  • 5頭が横一線となる白熱の展開
    5頭が横一線となる白熱の展開
  • 突き抜けたのはJRA所属馬アイスジャイアント
    突き抜けたのはJRA所属馬アイスジャイアント
  • 2戦目での重賞勝利となった
    2戦目での重賞勝利となった
  • 大人数での口取りも久しぶりだ
    大人数での口取りも久しぶりだ
  • 表彰式の様子
    表彰式の様子

 競馬の祭典JBC競走に組み込まれて2回目を迎えた農林水産大臣賞典第2回JBC2歳優駿(Jpn3) 【サンダースノー賞】が11月3日、門別競馬場ダート1800mで行われた。

 今年のメンバーはJRA所属馬5頭、道営所属馬9頭の14頭。

 4.4倍の1番人気は地元ホッカイドウ競馬所属のフェノーメノ産駒、ナッジ。同距離で行われたサンライズカップを快勝後、目標をここ一本に絞って調整を続けてきた。2番人気もホッカイドウ競馬所属馬、ヘニーヒューズ産駒のシャルフジンで4.7倍。ブリーダーズゴールドジュニアカップ優勝馬で、サンライズカップでは2着に敗れたが、課題だったテンションの高さは解消されつつあり、状態は上向き。3番人気はJRAから参戦のダンカーク産駒、アイスジャイアント。1戦1勝馬だが、母アイスドールも中央のダートオープン馬ということもあり血統背景は折り紙付き。オッズは5.5倍と人気は割れており、どの馬にもチャンスはある。地元勢は2歳馬の最高峰を、JRAからの遠征組はダート2歳重賞勝ち馬の座を虎視眈々と狙っていた。

 金沢競馬場のメインレースに合わせて5Rでの施行となったJBC2歳優駿(Jpn3)。抽選入場で限定された人数とはいえ、暖かい日差しに誘われて多くの入場者がゴール前で発走時刻を今か今かと待っていた。東京トゥインクルファンファーレ隊が奏でるJBCのファンファーレの後、レースはスタンド前からスタート。勢い良く飛び出したのはホッカイドウ競馬のエンリル、外から追い上げるシャルフジン、ついでダイナソー、コマノカモン、モーニングショー、オディロンらが続き1コーナーを周った。エンリルとシャルフジンが後続を放し逃げる展開の中、向こう正面から3コーナーで後方待機していたナッジ、アイスジャイアントが徐々に進出を開始、直線に入るとエンリルを競り落としたシャルフジンが先頭へ躍り出た。食らいつくオディロン、残り200m地点では最内を突いて追い込むナッジ、シャルフジン、オディロン、リコーヴィクター、大外アイスジャイアントの5頭が横一線、勢いに勝るアイスジャイアントが抜け出し、重賞初勝利のゴールに飛び込んだ。勝ち時計は1分53秒0(晴・重)1馬身1/2差の2着にナッジ、1馬身差の3着はリコーヴィクターという結果だった。

 騎乗した三浦皇成騎手は「まだ2戦目、遠征での競馬になりましたが、とても落ち着いていて良い状態で競馬に臨めましたね。レースでは、ここまで後方になるとは思いませんでしたが、経験の浅い馬なのでこうなる展開も考慮していましたし、終始手応えは良く、この脚抜きのいい馬場で前がどう動くか、脚の使い所だけは慎重に考えながら騎乗しました。2戦目での重賞制覇、素質の高さが窺えますし、今後も楽しみが広がります」と評した。

 管理する高柳瑞樹調教師は「長距離輸送にも耐えて良い結果を出してくれました。まだ2戦目で未知な部分も多いですし、ある程度前目の位置にいないと厳しいかなとも思いましたが、早めに追い上げたジョッキーの判断も良かったですね」と喜びを爆発させた。

 アイスジャイアントは父ダンカーク、母アイスドール、母の父キャプテンスティーヴという血統の2歳牡馬で、生産は安平町のノーザンファーム。祖母ビスクドールの全姉はエリザベス女王杯(G1)などを制したトゥザヴィクトリー、近親に種牡馬となったトゥザワールド、トゥザグローリー兄弟、重賞3勝のサイレントディール、デニムアンドルビーなど、活躍馬を多く輩出している血統馬だ。