馬産地ニュース

新ひだか町立高静小学校3年生が北海道市場を見学

  • 2021年11月04日
  • サラブレッドのせりについて説明を受ける高静小学校3年生
    サラブレッドのせりについて説明を受ける高静小学校3年生
  • 屋内馬房がある多目的ホールを見学
    屋内馬房がある多目的ホールを見学
  • せりの疑似体験では4,400万円までせり上がった
    せりの疑似体験では4,400万円までせり上がった

 11月1日、新ひだか町静内こうせい町にある新ひだか町立高静小学校(鈴木晋作校長)3年生93人が、新ひだか町静内神森にある北海道市場を見学した。

 これは地域の特色を学ぶ総合的な学習の一環。毎年、北海道市場を見学しているという。児童は北海道市場にある展示エリア、屋内馬房が設置されている多目的ホール、屋内パレードリング、セール会場を見学した。

 案内役を務めた日高軽種馬農業協同組合の中村さんは「日本では1年間に約7,000頭のサラブレッドが生産されます。そして、そのうちの約2,500頭がせりで取引されます。北海道市場では1歳馬のせりを年4回開催します。せりには200頭くらいしか出ないせりと1,000頭以上出るせりがあります。せりをするときには馬を並べて比較展示をします。ここに出てくる馬は競馬をするために生まれてきた馬です。競馬では早く走らないといけません。せりでは早く走れそうな馬を買います。ここに出てくる1歳馬は人間でいうと6歳くらいの子どもです。実際に競馬に出るのは2歳です。みんなは同じ年齢で、身長や体重、性格などいろいろな人がいますが、馬にもいろいろな性格、体型、大きさ、歩き方があります。せりではそういうのを判断して好みの馬を買います」とせりの仕組みを説明した。

 セール会場では児童が購買者席に座りせりを疑似体験。北海道市場で鑑定人を務める日高軽種馬農業協同組合の佐藤さんが鑑定人席に立ち、指で数字を示すせりの合図を教えて100万円からせりをスタート。児童たちは購買者になり「110万!」、「200万!」、「3,000万!」、「3,500万!」、「3,600万!」、「4,000万!」、「4,200万!」、「4,400万!」と声をかけ、最後は4,400万円でハンマーを鳴らした。

 児童からは「馬の体重は何キロくらいですか?」、「せりには何人くらいくるのですか?」など多くの質問が寄せられ「馬は高くていくらくらいで落札されるのですか?」という問いに中村さんは「ここで行うせりでは6,000万円、7,000万円くらいけば高いほうになります。しかし、日本にはもっと高く取引される馬もいます。北海道ではここだけでなく苫小牧のほうでもせりが行われます。苫小牧のせりでは高くて5億円くらいになります。1億円や2億円といった馬が当たり前に出ます」と答えると児童からは驚きの声が上がった。

 最後に中村さんは「みなさんは静内に生まれて静内で育って、馬というのが身近な存在だとおもいます。みんなは将来なりたい職業があるとおもいますが、一人でも多くこの馬の世界、業界で働いてくれる人が増えてくれたらうれしいです。今日はありがとうございました」とあいさつした。