ひだかうまキッズ探検隊が生産牧場を探検
10月2日、新ひだか町静内御幸町にある一般社団法人umanowaが主宰する「ひだかうまキッズ探検隊2021」は、新ひだか町静内真歌にある矢野牧場を探検した。
日高管内の馬に関する場所へ行き、馬の歴史・文化・仕事を「見る・知る・学ぶ」ことを目的とする「ひだかうまキッズ探検隊2021」の取り組みは、7月17日のライディングヒルズ静内、7月22日の岡田スタッドに続き3回目。本来ならば9月下旬に計画されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により北海道に緊急事態宣言が発令され延期になったため、約2か月ぶりに再開した。
第3回は「生産牧場を探検しよう」がテーマ。15人の探検隊が参加した。
訪問先となった矢野牧場は1913年に創業。静内の老舗牧場のひとつで、これまでに2002年の桜花賞馬アローキャリー、2018年の青葉賞(G2)優勝馬ゴーフォザサミット、2012年の大阪杯(G2)優勝馬ショウナンマイティ、古くは1966年の安田記念優勝馬ヒシマサヒデ、1961年の京王杯スプリングC優勝馬ショウザン、1970年の京都盃優勝馬タマホープなど、数多くの活躍馬を送り出している。矢野牧場では現在、功労馬を合わせて25頭の繁殖牝馬を繋養。今年は20頭の当歳が生まれているという。
探検隊はこの日、最初に繁殖牝馬を見学。矢野牧場の矢野亨憲社長は来年出産予定の繁殖牝馬を見せ「人間の赤ちゃんはおなかの中に10か月ちょっと入っていますが、馬の赤ちゃんは11か月おなかの中に入っています。生まれが近くなるとおっぱいが大きくなってきて母乳を出せるようになってきます。おっぱいの張りとか出産予定日を見ながら、私たちは赤ちゃんが安全に生まれるように監視します。だから、その時期になると夜も見張りをしますのでいつも寝不足になります」と話した。そして、矢野牧場の中で一番大きい繁殖牝馬の体重が700kgを超えていることを知ると驚きの声が上がった。
最後に探検隊は離乳したばかりの当歳馬のえさやりとえさづくりを体験。えん麦や配合飼料、塩、カルシウム、サプリメントなどをレシピに則って個別のバケツに入れていった。
矢野社長は「馬は成長していく過程であげるえさの種類も変わっていきます。アスリートとして筋肉をつけるためのえさを与えたるなどの工夫をして強い馬をつくるために頑張っています」と話し、当歳馬については「私たちは馬の体温を毎日測っています。子どもの体温はちょっと高めで38度です。子どもは小さければ小さいほど抵抗力がないので、早めに病気に気付いてあげて助けてあげるというのも牧場の大切な仕事です」と生産牧場の仕事を説明した。