新ひだか町立高静小学校6年生が生産牧場を見学
10月1日、新ひだか町静内こうせい町にある新ひだか町立高静小学校(鈴木晋作校長)6年生83名が、新ひだか町静内中野町にある西村牧場を見学した。
これは高静小学校が行う総合的な学習の時間の一環。生産牧場施設の見学や仕事内容を調べて、軽種馬産業の課題発見と解決をテーマとしたもので、一般社団法人umanowaが協力した。
西村牧場は昭和19年創業。今年で77年目を迎える。通算29戦18勝、レコードタイム更新7回、1988年のセイユウ記念、1988年、1989年のタマツバキ記念などを制覇して1987年、1988年、1989年と3年連続でJRA賞最優秀アラブを受賞したアキヒロホマレ、2008年の小倉サマージャンプ(Jpn3)などを制覇したバトルブレーヴ、2013年のJBCLクラシック(Jpn1)3着のキモンレッド、2017年の南関東の桜花賞などを制覇したスターインパルスなどの生産牧場として知られている。
現在は新ひだか町の本場のほか、新冠町西泊津にある2つの分場を合わせ3か所を拠点に約30頭の繁殖牝馬を繋養。多い時には当歳や1歳を含め約80頭を、インドから来日した外国人2名を含め8名のスタッフで管理しているという。
西村牧場の西村和夫社長は静内軽種馬生産振興会の会長、しずない農業協同組合の代表理事組合長や副組合長などの要職を歴任。地域の子どもたちのためになるのならと学校からの依頼を快諾し、児童を受け入れた。
この日、児童が訪問したのは、1歳馬や離乳した当歳馬を管理する新冠町西泊津の分場。普段は中期育成牧場として利用している。
西村社長は離乳した当歳馬の管理方法、えさの回数やえさをあげる時間、放牧する時間などを説明。児童は4つのグループに分かれて、えん麦や配合飼料、ペレット、ビートパルプといった馬のえさ、馬房の敷き藁や馬が食べる乾草などに利用される麦稈ロール、小さなパドックに放されたポニー、馬の運動不足解消やせりに向けての馬体づくりに活用されるウォーキングマシンを見学した。
児童はポニーに牧草をあげたりポニーを愛撫してうまと触れ合い、ウォーキングマシンでは中に入って時速20㎞程で走ったりし、「馬のオスとメスの見分け方はどのようにするのですか?」、「夜、馬を外に出すのはなんでですか?」、「馬にかかる費用はどれくらいですか?」、「馬の年の数え方は人間と同じですか?」、「西村牧場は芝とダートとどちらの血統が多いですか?」と質問した。
最後に西村社長は「今日は1時間半ほどでしたがありがとうございます。新ひだか町の生産したサラブレッドは今年のせりで600頭くらいが約60億円で取引されているすごい産業です。新ひだか町にはほかにも漁業や農業、商業もあり、みなさんそれぞれについて勉強しているとはおもいますが、馬の産業は新ひだか町にとって基幹産業、一番の産業だとおもっています。今日、みなさん勉強してわかったとおもいますが、馬は驚きやすく、大きな声を出したりしたら、馬は興奮して走り出します。近くに牧場があったら、そういうことを考えながら馬と接してほしいです。今後、皆さんが馬に触りたい接したいという機会があったら、ぼくたち、牧場主はそれに応えたいとおもっています。そしてそのときは馬と親しんでください。今日はみんなが馬のことを少しでもわかってもらったということがうれしかったです」とあいさつした。