馬産地ニュース

瑞穂賞はリンノレジェンドが勝利

  • 2021年10月11日
  • 内粘るリンノレジェンドに襲いかかる追い込み勢
    内粘るリンノレジェンドに襲いかかる追い込み勢
  • クビ差凌いで瑞穂賞を制した
    クビ差凌いで瑞穂賞を制した
  • 道営記念2勝目に向け大きな1勝だ
    道営記念2勝目に向け大きな1勝だ
  • 賑やかな口取り写真
    賑やかな口取り写真
  • 表彰式も再開された
    表彰式も再開された

 道営記念を目指す伝統の一戦、中京スポーツ杯第54回瑞穂賞(H2)【デクラレーションオブウォー賞】が10月7日、門別競馬場距離1800mで行われた。

 今年は4歳から9歳までの9頭が参戦。一か月後に迫った大一番に向け最後のトライアルレースだけに、各陣営の気合は高まっていた。2.0倍の一番人気に推されたのは、今季コスモバルク記念、旭岳賞の重賞を2勝、地元重賞では連対を外したことのない安定感を誇るクインズサターン。5.1倍の2番人気は、長期休養を挟み前走条件戦で復帰した9歳馬、ルールソヴァール。プラス12キロで出走した前走から更に馬体を増やしたことが不安材料になったが、ここを一叩きして本番に備える。3番人気は、この夏大井からホッカイドウ競馬に移籍してきたリコーワルサーで7.1倍。移籍後最初に挑戦した重賞で3着、このメンバーでも実力上位と支持を集めた。

 緊急事態宣言解除受け、この週から入場再開した門別競馬場。生憎の雨の中、待ち侘びたファンが見守るスタンド前からのスタート。好ダッシュからハナを奪ったのは最内枠のリンノレジェンド、それをマークするように外からグリントビート、バンカブルスターが後を追う。前の3頭が飛ばし、3~4馬身後方にリコーワルサーが単独4番手、そのさらに5馬身後方にウタマロ、ルールソヴァールらがつづき、クインズサターンは最後方と長い縦長の展開となった。良いリズムで逃げ続けるリンノレジェンドは、直線に入っても先頭のまま。先行勢が力尽きる中、外からリコーワルサーがスパート、一旦内リンノレジェンドを交わしたように見えたが、盛り返してくるリンノレジェンド。ルールソヴァール、クインズサターンの人気馬も一気に脚を伸ばすが、内リンノレジェンド、中リコーワルサー、外ルールソヴァールと並んでゴールを駆け抜けた。結果、クビ差リンノレジェンドが凌ぎ切り、重賞6勝目。勝ち時計は1分53秒5(雨・重)2着リコーワルサー、3着ルールソヴァールまでクビ、クビ差の決着だった。

 快心のレースを見せた石川倭騎手は「逃げる形がベストなのであのようなレース運びになりました。ペースも早くなく、単騎で逃げれたことが勝因ですかね。最後は一旦前に出られましたが、良い根性を見せて差し返してくれました。次に繋がる良い内容だったと思います」と振り返った。

 管理する櫻井拓章調教師は「プラス体重でしたが太くは感じなかったし、仕上がりは良かったと思います。二の脚を使える馬なので下がった時も盛り返してくれると信じて、安心して見ていられましたよ。林先生から引き継いだ馬ですし、重賞ということで責任もある。役目を果たせてまずはホッとしています。道営記念を勝てるようにキッチリ調整して行きたいです」と感慨深げだった。

 リンノレジェンドは、父トビーズコーナー、母ピエールナオチャン、その父ケイムホームという血統の5歳牡馬で、生産は浦河町の上山牧場。2017年の北海道サマーセールにおいて6,156,000円で取引された市場取引馬で、通算成績は30戦10勝(うち重賞6勝)