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サンライズカップはナッジが重賞初制覇

  • 2021年10月04日
  • 内粘るシャルフジンを捕らえにかかる追い込み勢
    内粘るシャルフジンを捕らえにかかる追い込み勢
  • ナッジが三連勝で初重賞制覇を達成した
    ナッジが三連勝で初重賞制覇を達成した
  • JBC2歳優駿に向け弾みを付けた
    JBC2歳優駿に向け弾みを付けた
  • 嬉しい口取り写真
    嬉しい口取り写真

 9月30日、2歳チャンピオンシリーズ・未来優駿2021の第2戦、大阪スポーツ杯第21回サンライズカップ(H1)【マクフィ賞】がダート1800mで行われた。

 JBC2歳優駿(Jpn3)へ向けて最後の登竜門となる同レースには、9頭がエントリー。2.5倍の1番人気は、サッポロクラシックCでレコード勝ちを収めたクリエイターⅡ産駒のリコーヴィクター。2番人気は、ブリーダーズゴールドジュニアCで5馬身差の圧勝劇を演じたヘニーヒューズ産駒のシャルフジンで2.8倍。3.5倍の3番人気は、栄冠賞で世代最初の重賞勝ち馬となり、ブリーダーズゴールドジュニアC 2着、サッポロクラシックC 3着と大崩れのないシニスターミニスター産駒のモーニングショーと、いずれも2歳重賞を彩ってきた若武者たちが人気を分け合った。

 朝から降り続いた雨はレース前に上がったものの、馬場は不良のまま戦いの火蓋が切って落とされた。揃ったスタートからまず先手を奪ったのは、人気のシャルフジン。外にモーニングショー、マックスレジェンド、ファーガス、ナッジらが続く。向こう正面で馬群は詰まり、シャルフジンのリードは半馬身ほどだったが、4コーナーのコーナーワークで後続を一気に突き放した。しかし外からナッジが追い込み、後方で脚を溜めていたリコーヴィクター、グレイテストワークも脚を伸ばす。残り100mでナッジがシャルフジンを交わし、1馬身1/2差でナッジが初重賞勝利を掴み取った。勝ち時計は1分53秒9(曇・不良)2着にシャルフジン、2馬身差の3着は真ん中を割って追い込んできたリコーヴィクターという結果だった。

 騎乗した阪野学騎手は、2017年ポアゾンブラックで制した道営スプリント以来、4年振りの重賞勝利「2歳の乗り慣らしの頃から乗せてもらっていて、だんだん成長していく過程を把握できていましたが、ここまで力を付けてこの馬の成長力には驚かされました。前走も不良馬場で勝っているので馬場状態に不安はなく、折り合いにだけ気をつけて乗っていました。レース中もいつも通り落ち着いていましたし、全てがうまく行ったという感じですね」と振り返った。

 管理する田中正二調教師は2007年の優勝馬バイタリティーに続き同レース2勝目「所属騎手の阪野くんが乗って勝てたことが本当に嬉しいね。春先は落ち着かない感じだったのが、最近体も大きくなって気性も落ち着いて走れるようになってきた印象。レースを使うごとに勝ち方も強くなっているし、JBC2歳優駿(Jpn3)でも結果を出せるかなというところまで来ていますね」と、心身共に充実期を迎えた管理馬の次走に期待を込めた。

 ナッジは、父フェノーメノ、母エーシンジョイフル、その父オペラハウスという血統の2歳牡馬。生産は新ひだか町三石の信田牧場で、2020年の北海道サマーセールにおいて330万円(税込)で取引された。5月13日のフレッシュチャレンジ競走でデビューしたが、勝ち馬のリコーヴィクターに敗れ6着。初勝利まで3戦を要したものの、中距離戦に照準を合わせるとアタックチャレンジ競走、ウィナーズチャレンジ競走を連勝、三連勝で初重賞制覇を達成した。通算成績は8戦4勝。