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フローラルCはコスモポポラリタが重賞初勝利

  • 2021年09月29日
  • 逃げ粘る僚馬に並びかけるコスモポポラリタ
    逃げ粘る僚馬に並びかけるコスモポポラリタ
  • ハナ差で重賞初勝利
    ハナ差で重賞初勝利
  • 厩舎ワン・ツー笑顔の口取り写真
    厩舎ワン・ツー笑顔の口取り写真
  • 殊勲の騎乗で勝利に導いた五十嵐騎手
    殊勲の騎乗で勝利に導いた五十嵐騎手
  • 林調教師の遺志を継ぎ、櫻井厩舎重賞初勝利となった
    林調教師の遺志を継ぎ、櫻井厩舎重賞初勝利となった

 9月22日、門別競馬場では2歳牝馬重賞、UHB杯第21回フローラルC(H3)【タリスマニック賞】がダート内回り1600mで行われた。

 2.2倍の1番人気に推されたのは、フルールC 2着、リリーCでは4着と重賞で実績のあるパイロ産駒のエイシンヌプリ。牝馬重賞では実力上位なだけにここは負けられない。2番人気はロージズインメイ産駒のコスモポポラリタで2.6倍。前走サッポロクラシックCでは牡馬相手に4着と好走、得意距離で巻き返しを図る。5.2倍の3番人気はダノンレジェンド産駒のツーシャドー。リリーCで見せた粘り腰が距離延長でどう進化するかに注目が集まった。

 断続的に降り続く雨の中、スタンド前からスタート。絶好の飛び出しでハナを奪ったのはやはりツーシャドー、それをピッタリマークするようにサラヘレンがつづき、グランツ、パッショニスタ、カーロデスティーノ、エイシンヌプリまでが前方に詰めかけ1コーナーを周っていった。3~4コーナー中間、マイペースにラップを刻むツーシャドーに外から差を詰めるエイシンヌプリ、最内を突いてスルスル伸びてくるコスモポポラリタ、そう簡単には抜かさせないとばかりに逃げ粘るツーシャドー。しかし後方待機で脚を溜めていたコスモポポラリタの脚色が勝り、ほぼ並んだところがゴールだった。同厩舎の僚馬の凌ぎ合いは僅かハナ差、コスモポポラリタに軍配が上がった。勝ち時計は1分42秒7(雨・重)2着ツーシャドー、3馬身差の3着はエイシンヌプリという結果だった。

 デビューからずっとコスモポポラリタとコンビを組んできた五十嵐冬樹騎手は「前走サッポロクラシックCは力んだ走りをしてしまい、最後の脚を生かせなかったので、今日は折り合いだけに気をつけて乗りました。最後はキッチリ交わしてくれてホッとしています。最初に乗せてもらった時から日々成長が伺え、今日は今までで一番の出来でしたし、重賞を勝ってくれて馬には感謝しかありません」と称賛した。

 騎手時代から故・林和弘厩舎の所属騎手であり、調教師になった後も師弟関係だった櫻井拓章調教師は林厩舎から引き継いだ馬で重賞初勝利、しかもワン・ツーという結果を残した。「3~4コーナーの勝負どころで行き場がなくなったように見えましたが、五十嵐ジョッキーが上手く捌いてくれましたね。林先生が亡くなってから自分が引き継ぐことになりましたが、シーズン終了まで精一杯勤めたいと思います」と喜びを噛み締めていた。

 コスモポポラリタは、父ロージズインメイ、母コスモリープリング、その父ヤマニンセラフィムという血統の2歳牝馬で、新冠町ビッグレッドファームの生産馬。6月17日のフレッシュチャレンジ競走でデビューするも2着、3戦目のアタックチャレンジ競走で勝ち上がると、続くウィナーズチャレンジ競走も勝利し二連勝。紅一点で挑んだサッポロクラシックCは4着に敗れたものの、これまでの経験を生かし大輪の花を咲かせた。通算成績は6戦3勝。