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イノセントカップはレディーアーサーが初戴冠を果たす

  • 2021年09月22日
  • 逃げるプライルードをジワジワ追い詰めるレディーアーサー
    逃げるプライルードをジワジワ追い詰めるレディーアーサー
  • 残り50mで交わし、初戴冠を果たした
    残り50mで交わし、初戴冠を果たした
  • 田中淳司厩舎のワン・ツー
    田中淳司厩舎のワン・ツー
  • 次走はエーデルワイス賞(Jpn3)を予定している
    次走はエーデルワイス賞(Jpn3)を予定している
  • 嬉しい口取り写真
    嬉しい口取り写真

 2歳馬によるスプリント重賞・競馬ブック杯第21回イノセントカップ【シャンハイボビー賞】(H3)が9月16日、門別競馬場ダート1200mで行われた。

 今年は牡5頭、牝3頭の全8頭がエントリー、2歳快速馬の座を競い合った。1番人気はラブリーデイ産駒のプライルードで1.7倍。栄冠賞2着以来久々のレースとなるが、牧場でしっかり乗り込まれ、プラス16kgの馬体重は成長の証で死角はないように見えた。2.9倍の2番人気はパイロ産駒の牝馬、レディーアーサー。こちらも栄冠賞3着以来の実戦だが仕上がりは上々。6.8倍の3番人気はエイシンヒカリ産駒のエイシンシュトルムと、フレッシュなメンバーが顔を合わせた。

 レースは、揃ったスタートから人気のプライルードがハナを奪う積極策に。内からバウチェイサー、マイバンビーナ、バイクミューズらがつづき、3コーナーを周った。3~4コーナーの勝負所でレディーアーサー、エイシンシュトルムも進出を開始、4コーナーを周ってもスピードが衰えないプライルードを射程圏内に収めた。勝負が決したのは残り僅か50m辺り。逃げ粘るプライルードをレディーアーサーが捕らえ、1馬身1/2交わしたところがゴールだった。勝ち時計は1分14秒8(曇・良)2着にプライルード、クビ差の3着はメンバー中上がり最速の脚で追い込んできたクラサーベルという結果だった。

 服部茂史騎手は昨年の同レースをリーチで制しており、連覇を達成「この馬で大きいところを狙っていたので、まずは第一段階をクリアしてくれてホッとしています。どの位置からでも競馬できる馬ですし、今日も出た所でレースを進めようと考えていました。心身ともに成長してくれたことで、あの位置でもしっかり我慢できたし、最後の末脚が生かせたと思います」と笑顔で話してくれた。

 管理する田中淳司調教師は「この馬はせり場で、先日亡くなった林和弘調教師にも見てもらい太鼓判を押してもらった馬。林調教師にいい報告ができます。最初から能力はあるなと解っていましたが、新馬では出遅れ、ペースに恵まれずなかなか思うように行きませんでしたね。素晴らしいスピード、位置取りに拘らないレースができるのも強み。目標であるエーデルワイス賞(Jpn3)に向かいたいと思います」と声を弾ませた。

 レディーアーサーは父パイロ、母スイートフィズ、母の父クロフネという血統の2歳牝馬。2020年のサマーセールにおいて1,210万円(税込)で購買された市場取引馬で、生産はシンボリルドルフをはじめ数々の名馬を送り出してきた地元門別の名門、シンボリ牧場。