馬産地ニュース

北海道静内農業高等学校生産馬が572万円で売却

  • 2021年08月31日
  • 5,720,000円で売却したナリタトップスター2020
    5,720,000円で売却したナリタトップスター2020
  • 落札の瞬間は会場から拍手が沸き起こった
    落札の瞬間は会場から拍手が沸き起こった
  • 曳き馬は生徒が担当した
    曳き馬は生徒が担当した
  • ナリタトップスター2020と笑顔の生徒
    ナリタトップスター2020と笑顔の生徒

 8月26日、新ひだか町静内田原にある北海道静内農業高等学校(佐藤裕二校長、生徒数129名)は、新ひだか町静内神森にある北海道市場を会場に開催された日高軽種馬農業協同組合が主催する北海道サマーセールにおいて、生産馬を5,720,000円(税込)で売却した。

 売却したのは昨年4月19日に生まれた1歳牡馬のナリタトップスター2020。父は日本軽種馬協会静内種馬場に繋養される世界的名種牡馬のマクフィ、母はナリタトップスター、母の父はディープインパクトという血統で、生徒からは星翔(ライト)という愛称で、生れ落ちてからせり上場まで愛情をかけて育ててきた自慢の愛馬だ。

 北海道サマーセールの4日目、上場番号901番で上場されたナリタトップスター2020のせりは、2,000,000円からスタート。すぐに複数の購買関係者から声がかかり、みるみるとせり上がった。最後は5,200,000円のビッドを合図した(有)ミルファームが落札。落札の瞬間は売却を祝福する暖かい拍手がセール会場に鳴り響いた。

 せり落とした清水敏(有)ミルファーム代表は「今が旬のマクフィの産駒ですし、母親がディープインパクトの肌馬ということもあって、可能性があるのではないかとおもいました。これから大きくなってくれればよいとおもいます。前向きな性格をしていそうなので、新潟の芝1000直向きかもしれませんね。まずはそこが第一関門になるかなとおもいます。予算的には10,000,000円までは行こうとおもっていました。斎藤誠先生がぜひやりたいということでしたのでお願いしました」と会心の笑みを見せた。

 曳き馬を担当した3年生の佐藤香月さんは「初めての体験で楽しかったです。すぐに声がかかったときはホッとしました。自分がおもってたより上がってくれたのでうれしかったです。星翔はけっこうやんちゃなところがあって、曳き馬をしているときも噛んできたりするので、体があざだらけになってたいへんでした。いろんな人に愛される強い馬になってほしい」。せりに同行した3年生の小笠原大翔さんは「第一声がかかって売れることが確定した時はホッとしました。あとは無事に帰ってくることを祈って見守ってました。最後まで走り切りってほしい」、同じく3年生の藤原結さん「戻ってきたときは、お疲れ様、頑張ったねとたくさん撫でてあげました。丈夫で強い馬になってほしいです」と喜びを分かち合った。

 北海道静内農業高等学校は、全国で唯一、軽種馬生産学習を行う公立高校。食品科学科と生産産科学科があり、全国から集まった生産科学科の馬コースの生徒が軽種馬生産について学んでいる。軽種馬生産は1978年からアラブを、2000年からはサラブレッドを扱っており、主な生産馬はJRA3勝のユメロマン、JRA2勝のゴーゴーヒュウガなど。アラブの時代にはサントゥールワンが益田優駿を制覇している。昨年の北海道サマーセールにて、27,500,000円(税込)で売却したテイエムケントオーは、今年8月7日に函館でデビューし5着。8月22日に札幌で出走した2戦目は2着に好走している。