馬産地ニュース

北海道サマーセールが開催

  • 2021年08月31日
  • 最高価格のタイニーダンサー2020
    最高価格のタイニーダンサー2020
  • 1,376名の購買登録者で賑わった北海道サマーセール
    1,376名の購買登録者で賑わった北海道サマーセール
  • あいさつする木村貢市場長
    あいさつする木村貢市場長
  • JRA日本中央競馬会からの会食等の自粛要請文書
    JRA日本中央競馬会からの会食等の自粛要請文書

 8月23日から27日までの5日間、新ひだか町静内神森にある北海道市場において、日高軽種馬農業協同組合が主催する北海道サマーセール2021が開催された。

 コロナ禍での開催となったサマーセールは、北海道日高振興局から日高管内の軽種馬関係者に対し、より一層の感染拡大防止の注意喚起が出されるなか、徹底した感染防止対策を実施。会場内の至る所には、JRA日本中央競馬会からの会食等の自粛を要請する文書が掲示された。せりは5月のトレーニングセール、7月のセレクションセール同様、通常のせりとオンラインビッドシステムを併用したハイブリッド方式で開催された。

 開催にあたり木村貢市場長は「購買者、関係者のみなさまにおかれましては、何かとご多用のなか、全国各地からお集まりいただきまして、北海道市場に参加されますことを、まずもって御礼を申し上げます。新型コロナウイルスが、去年、今年と、たいへんまん延してるなかで、全国の競馬場のみなさまにおかれましては、感染防止を徹底したうえで、競馬の開催を継続していただいていることに、生産者としても、とても心強く、また、安心して生産育成に携わることができております。関係者のみなさまへは、心から敬意を表するとともに、御礼を申し上げます。
 さて、先般のセレクションセールにおきましては、購買者のみなさま方のご理解とご協力をいただきまして、たいへん活況のうちに終了することができました。結果的には過去最高の数字を残すことができました。本当にありがとうございました。本日から5日間のセールの開催となりますが、名簿掲載上は1413頭、たいへん多くの頭数が上場されますので、購買者のみなさま方には、一頭でも多くレポジトリー等を十分見ていいただきまして、せりに参加していただければ幸いでございます。このなかには、必ず全国で活躍してくれる、レースを賑わす馬がいるはずでございますので、どうぞ、みなさんの活発なせり上げをご期待申し上げます。そして、コロナ感染の防止を徹底いたしまして、この5日間を、なんとか乗り切りたいと考えておりますので、ソーシャルディスタンス等をお願いして参加していただければ幸いでございます」とあいさつした。

 せりは5日間で1,336頭が上場され、1,004頭が売却された。売却総額は6,912,400,000円(税込、以下同)、売却率は75.1%、平均価格は6,884,860円だった。売却頭数が1,000頭を超えるのは初めてで、売却総額は過去最高の数字、売却率は3年連続で70%台を維持した。

 最高価格取引馬は23日の最初に上場された上場番号1番の「タイニーダンサー2020(牡、父へニーヒューズ)」。46,200,000円で宮崎俊也氏に落札された。本馬は母が2016年の関東オークス(Jpn2)、2015年の北海道2歳優駿(Jpn3)、2015年のエーデルワイス賞(Jpn3)などを制した2015年NAR2歳最優秀牝馬で、近親には2017年のジャパンダートダービー(Jpn1)などを制した2017年NAR年度代表馬でNAR3歳最優秀牡馬のヒガシウィルウィンがいる血統。販売申込者は新ひだか町静内古川町にある(有)グランド牧場だった。

 2番目は上場番号87番の「ファーストレディ2020(牡、父スズカコーズウェイ)」と上場番号1112番の「サトノベリーニ2020(牡、父シルバーテースト)」の2頭で36,300,000円。ファーストレディ2020は販売申込者が(有)グランド牧場で購買者は(株)吉澤ステーブル、サトノベリーニ2020は新ひだか町静内御園にある(有)フジワラファームが販売申込者で購買者は二宮幸三氏だった。

 また、牝馬の最高価格は上場番号65番の「ハヤブサレディゴー2020(父スズカコーズウェイ)」と上場番号1243番の「マチャプチャレ2020(父リアルインパクト)」の2頭で26,400,000円。ハヤブサレディゴー2020は販売申込者が(有)グランド牧場で購買者は岡本真二氏、マチャプチャレ2020は販売申込者が浦河町西舎にある(有)チェスナットファームで購買者は(株)ニッシンホールディングスだった。

 購買登録者はオンラインビッドシステムの本登録者98名を含め1376名。1004頭の売却頭数のうち236頭にオンラインビッドでの参加があり、最終的に53頭がオンラインビッドで落札されたという。

 木村市場長は「売却総額が69億円までいくとは予想もしていなかったので、コメントのしようがありません。ただただびっくりしています。競馬の売り上げが好調ななか、売却率が70%を維持できているというのは、生産者へも競馬の興行の恩恵を受けているというのを実感できているとよろこんでおります。売却率と平均価格は昨年より少し下がりましたが、売却頭数が増えたのはなによりうれしいです。5日間のなかではオンライン同士のせり合いがあったのが印象に残っています。オンラインについては定着しつつありますが、いろいろ改良してより参加しやすいようにしていきたいです」と話した。