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サッポロクラシックCはリコーヴィクターがレコードで重賞初制覇を飾る

  • 2021年08月30日
  • 前を行く2頭に外から襲いかかるリコーヴィクター
    前を行く2頭に外から襲いかかるリコーヴィクター
  • 強襲が届いたところがゴールだった
    強襲が届いたところがゴールだった
  • 川島雅人厩舎に重賞初勝利をもたらした
    川島雅人厩舎に重賞初勝利をもたらした
  • 笑顔弾ける口取り写真
    笑顔弾ける口取り写真
  • 表彰を受ける関係者のみなさん
    表彰を受ける関係者のみなさん

 8月26日、門別競馬場では2歳馬の長距離重賞、第8回サッポロクラシックカップ(H2)【パイロ賞】がダ1700mで行われた。

 今年の出走馬は牡馬8頭、牝馬1頭の計9頭、少頭数での施行となった。

 2.2倍の1番人気に推されたのは、シニスターミニスター産駒のモーニングショー。栄冠賞を制覇し世代最初の重賞勝ち馬となった同馬は、距離延長で臨んだブリーダーズゴールドジュニアカップを2着と頭ひとつ抜けた強さを誇っている。2番人気はクリエイターⅡ産駒のリコーヴィクターで4.6倍。栄冠賞は5着、つづく2歳オープン戦では後続を6馬身ちぎる圧勝で初重賞制覇に挑んできた。3番人気は紅一点、ロージズインメイ産駒のコスモポポラリタで5.7倍。1600mのアタックチャレンジ競走で勝ち上がるとウィナーズチャレンジも連勝、長距離での実績から人気を集めた。

 連日降り続いた雨の影響で不良の馬場状態。それでも果敢に先頭を主張したのはモーニングショーだった。ピッタリとマークするダイナソー、外からコスモポポラリタ、その直後にリコーヴィクター、エイシンスコッティ、エイシンシュトルムもつづき、ここまでがほぼ一団となった。3コーナーを回り、モーニングショーに並びかけるダイナソー。直線に入っても2頭の叩き合いが続いたが、メンバー中最速の上がりで追い込んできたリコーヴィクターが残り100m地点で2頭を交わし、重賞初勝利のゴールに飛び込んだ。勝ち時計1分46秒7(晴・不良)はレコードタイム。1馬身差の2着はダイナソー、1/2馬身差の3着にモーニングショーという結果だった。

 18年のヒダカソウC以来重賞2勝目となった山本咲希到騎手は「作戦通りのポジションを取れ、その後は普段通り、順調に進んでくれました。焦っても仕方ないので外に出すタイミングだけを見計らい、直線、外に出してからはどこまで伸びてくれるか、馬の力を信じて乗っていました。2歳にしては厳しい競馬になりましたが、上手くレースしてくれましたね」と振り返った。

 管理する川島雅人調教師は開業5年目で念願の重賞初勝利「前走勝った辺りからタイトルを獲りにいくことを目標に仕上げてきたので、結果が出せてうれしい。レース前、騎手には理想の展開を伝えてありましたが、その通りに導いてしっかり勝ってくれました。今日の乗り方が最高で、一番いいレースをしてくれたと思っています」と元騎手らしいコメントで喜びを噛み締めていた。

 

 リコーヴィクターは父クリエイターⅡ、母リコーフィオラノ、母の父シンボリクリスエスという血統の2歳牡馬で、日高町にあるリコーファームのオーナーブリーディングホース。次走はサンライズカップ(9/30)からJBC2歳優駿(Jpn3)(11/3)を目指す予定だ。