エトワール賞はイダペガサスが重賞初勝利
8月12日、門別競馬場では今季3戦目のスプリント重賞、HBC杯・第21回エトワール賞(H3)【シルバーステート賞】が距離ダ1200mで行われた。
今年のメンバーは4歳から11歳までの快速自慢11頭。1番人気に推されたのは、ホッカイドウ競馬デビューから南関東へ移籍、4歳になった今季から古巣に帰ってきたスティールペガサスで2.6倍。2番人気は前走金沢競馬場へ遠征した金沢スプリントCで2着に好走したイダペガサスで3.4倍。4.8倍の3番人気は5連勝で昨年道営スプリントを制したジャスパーシャインだった。
短距離戦らしい煽り気味のスタートから好ダッシュを決めたのは牝馬のフリーホースカップ。人気のスティールペガサスはその直後、イダペガサス、ソルサリエンテ、マナホクレレなどがつづき、ほぼ団子状態で最後の直線を向いた。内で粘るフリーホースカップを競り落しにかかるスティールペガサスだったが、残り200mで脚色が鈍り、満を持して追い出したイダペガサスが先頭を奪う。外からジャスパーシャインも追い込んできたが届かず、イダペガサスが重賞初勝利となった。1分12秒6(晴・稍重)1馬身差の2着にジャスパーシャイン、1/2馬身差の3着はソルサリエンテという結果だった。
ホッカイドウ競馬に移籍して1年、イダペガサスを重賞勝ち馬にエスコートした服部茂史騎手は「ゲートを上手く出て、3番手に着けられたことで自信が持てましたね。早めに抜け出して後方から馬が来る気配は感じましたが、最後までがんばってくれと馬を鼓舞し続けました。やっと重賞に手が届いて本当に嬉しいです」と満面の笑み。
管理する田中淳司調教師は2015年のクリーンエコロジー、2017年のタイセイバンデット、2019年のジョウランにつづき同レース4勝目「オーナーが道営記念を取りたいと預けてくださった馬なんですが、レースを使っていくうちに長い距離は合わないかなと感じるようになり、短距離を使わせて欲しいと提案して結果が出せたのでオーナーには感謝しています。大目標は道営スプリントになりますが、前哨戦を使うかは馬の状態次第ですね」と声を弾ませた。
イダペガサスは父ゴールドアリュール、母カロンセギュール、母の父Forest Campという血統の6歳牡馬。生産は安平町のノーザンファームで、2016年のセレクトセールサラブレッド1歳で取引された市場取引馬で、4860万円で落札されている。
2017年にJRA東京競馬場ダ1400mでデビュー勝ちをおさめ、続く条件戦も連勝。堅実に勝ち星を重ね、準オープンクラスまで上り詰めた。昨年のシーズン途中からホッカイドウ競馬に移籍し、地方馬となってからは9戦4勝の成績を残している。