フルールカップはスティールルージュが重賞初勝利
8月11日、門別競馬場では2歳牝馬によるスプリント戦、ソメスサドル杯第8回フルールカップ(H3)【アメリカンペイトリオット賞】が行われ、ダート1000mを舞台に10頭がスピードを競い合った。
1番人気は、パイロ産駒のエイシンヌプリで3.0倍。デビュー戦のスーパーフレッシュチャレンジ競走はモーニングショーの3着に敗れたものの、折り返しのアタックチャレンジ競走では6馬身差の圧勝。前走ウィナーズチャレンジ競走でも2着と安定した成績を残している。3.1倍の2番人気はマジェスティックウォリアー産駒のスティールルージュ。フレッシュ、アタックチャレンジ競走は惜しくも2着、2回目のアタックチャレンジ競走を快勝すると2歳オープン競走も連勝し、最も勢いのある一頭だ。3番人気は、こちらも2連勝中のコパノリチャード産駒、アマクミナイデヨ。デビュー戦で8馬身差の逃げ切り勝ちをおさめ、続くオープン競走も逃げ切って快勝。5.1倍という人気だった。
揃ったスタートから飛び出したのはスティールルージュ、ハナを取りたいアマクミナイデヨ、スティールノーヴァも追いかける。グランツ、エイシンヌプリ、ブエラプーラがつづき、3コーナーをまわった。3~4コーナーで後続を突き放しにかかるスティールルージュ、アマクミナイデヨとの差が開いていく。残り100mで外から追い込んできたエイシンヌプリがアマクミナイデヨを捕らえ、上がり最速の脚でスティールルージュを追い詰めるも届かず、スティールルージュがクビ差凌ぎ切って重賞初勝利を飾った。勝ち時計は0分59秒7(晴・重)2着にエイシンヌプリ、2馬身差の3着にアマクミナイデヨが入り人気上位馬で決着した。
前走から手綱を取っている阿部龍騎手は「すごく前向きな気性の持ち主で、内枠を引いた時点で自分の競馬をするには前へ行かなくてはと考えて逃げる形になりました。直線に入ってもう一杯一杯でしたが、最後までよく頑張ってくれました」と笑顔を見せた。
管理する角川秀樹教師は2015年のモダンウーマン、昨年のマーサマイディアに続き同レース3勝目。「牝馬の短距離レースはゲートを出てみないとわからないところがあるので、乗り方は騎手に任せました。テンから追ったことのない馬がハナを主張するために仕掛けていったために終いは甘くなりましたが、しっかり勝ってくれましたね。今後は馬の状態を見ながらオーナーと相談になりますが、今日もパドックでテンションが高かったりしたので、エーデルワイス賞(Jpn3)(10/14)に直行もアリかなと考えています」と今後のプランを語った。
スティールルージュは父マジェスティックウォリアー、母ディアユリアザミ、母の父ボストンハーバーという血統の2歳牝馬。生産は浦河町の(有)ディアレストクラブ。2020年の北海道セプテンバーセール取引馬で、4/28に行われたフレッシュチャレンジ競走でデビュー。デビュー戦は2着に敗れ、5/13のアタックチャレンジ競走も2着と勝ちきれないレースが続いたが、5/27二度目の挑戦となったアタックチャレンジ競走を大差勝ちで突き抜けると、三連勝で重賞ウイナーの仲間入りを果たした。