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ひだかうまキッズ探検隊が現役繁殖牝馬と現役競走馬を見学

  • 2021年07月27日
  • タイトルホルダーとの記念撮影
    タイトルホルダーとの記念撮影
  • タイトルホルダーの母メーヴェと対面した
    タイトルホルダーの母メーヴェと対面した
  • 今秋は菊花賞(G1)制覇を目標とするタイトルホルダー
    今秋は菊花賞(G1)制覇を目標とするタイトルホルダー

 7月22日、新ひだか町静内御幸町にある一般社団法人umanowaが主宰する「ひだかうまキッズ探検隊2021」は、新ひだか町目名にある岡田スタッドと新ひだか町静内豊畑にあるノルマンディーファームにおいて、現役繁殖牝馬と現役競走馬を見学した。

 日高管内のさまざまな馬に関わる場所へ行き、馬の歴史・文化・仕事を「見る・知る・学ぶ」ことを目的とする「ひだかうまキッズ探検隊2021」の取り組みは、7月17日のライディングヒルズ静内に続き2回目。「競走馬に会おう」をテーマにした今回は、15人のキッズが参加した。

 訪問先となった岡田スタッドは1972年に設立。岡田牧雄氏が代表を務める総合牧場で、新ひだか町静内のほか、日高町やえりも町、福島県にも拠点があり、育成はノルマンディーファームで行っている。

 主な生産馬は2007年の有馬記念(G1)を制覇したマツリダゴッホ、2016年のチャンピオンズC(G1)を制覇したサウンドトゥルー、2010年、2011年のJBCクラシック(Jpn1)を連覇したスマートファルコンなど多数。「馬もスタッフの生活もハッピーに」をモットーに、息の長い活躍を目指し日々丈夫な馬づくりに邁進している。

 最初に訪れた岡田スタッドでは2頭の繁殖牝馬と対面した。最初に展示されたのはメーヴェ。2008年に生まれた英国産馬のメーヴェは、現役時代に岡田牧雄氏の名義で走りJRA 5勝を挙げた。340㎏台の小さな体で牝馬ながら2019年の菊花賞(G1)で5着になったメロディーレーンと今年の弥生賞ディープインパクト記念(G2)を制覇し、皐月賞(G1)で2着、日本ダービー(G1)で日高産馬最先着の6着となったタイトルホルダーの母としても有名である。

 2頭目にはキョウエイトルースを展示。24歳のベテランで、これまでにサウンドトゥルーのほか、2018年の佐賀記念(Jpn3)を制覇したルールソヴァール、2019年のアンタレスS(G3)を制覇したアナザートゥルースと3頭の重賞勝ち馬を送り出す名牝として有名だ。

 キッズたちは2頭の繁殖牝馬について、それぞれの性格や好きな食べ物、毛色、馬体重などを質問し、持参したペーパーに顔の特徴などと一緒に書き込んだ。

 探検隊は続いてノルマンディーファームに移動。ここでは現役競走馬のタイトルホルダーがお披露目された。日本ダービー(G1)6着後に休養のために帰ってきたタイトルホルダーは今後、ノルマンディーファーム小野町を経由して美浦の栗田徹厩舎へ移動。秋はセントライト記念(G2)で始動し、菊花賞(G1)を最大目標にしているという。

 キッズたちはここでもタイトルホルダーについて、性格や好きな食べ物、毛色、生年月日、これまでに勝ったレース、脚質、せりでいくらで売ったのか、これまでにどれくらい稼いだのか、乗り心地はどんな感じなのかなどを質問。持参した用紙に顔の特徴をデッサンした。岡田代表は「タイトルホルダーはセレクトセールで2,000万円で売りました。まだ2つしか勝ってませんが、すでに1億3,000万円以上の賞金を獲得しました。逃げ、先行を得意としていますが、まだ持っている実力の半分も発揮しておらず自分の体を持て余している感じです。今はノルマンディーファームにある1,100m坂路コースを、ほかの馬は2本のところ、この馬は3本上っています。これからどんどんどんどん良くなっていくとおもいます。血統的にも長い距離が向いています。3,000mの菊花賞(G1)はタイトルホルダーの能力を最大限に生かせる最高の舞台とおもっていますので、みんなも勝てるように応援してください」と話し、いつ引退するのか?と聞かれると「G1を3つくらい勝ったらすぐに引退させて種牡馬にしますが、10歳くらいまでは現役を続けるかもしれません。長く丈夫に走ってほしいです」と答えた。

 現役の競走馬、しかも、重賞を勝っている馬に間近で会う機会はめったにないだけに、キッズたちは興奮冷めやらぬ様子だった。